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2002年にスタートした司法制度改革のもと、“目玉”の一つとして全国に70以上設立された「法科大学院」。近年は志願者数の減少などで各大学が運営に苦しみ、35の法科大学院が相次いで募集を停止する事態となっている。青山学院大学や立教大学といった私立の有名大学や、横浜国立大学も撤退を決めた。法科大学院はもはや役割を終えたのか。「予備試験」が11年にスタートし、法科大学院を修了せずに司法試験を受験できるようになったことで、存在意義が薄れたとする声もある。長く法曹界を取材するフリージャーナリストの秋山謙一郎氏が解説する。
エリートに学歴は必要なし?
昨年11月、地味ながらも、法曹界で注目されるニュースが報じられた。

法務省が発表した、法科大学院を修了せずに司法試験の受験資格を得るための「予備試験」の合格者に関する報道だ。同年の合格者は前年比39人増の444人。予備試験は2011年から始まり、6年連続で過去最多を更新した。また、『17年1月の出願時に高校生で、史上最年少となる18歳(12月末時点)の合格者も誕生した』(読売新聞2017年11月10日付)
今年5月には司法試験の「本試験」が実施された。6月上旬に発表された本試験の「短答式試験」の「(本試験)合格に必要な成績を得た者」の最低年齢は19歳。報道にあった予備試験の最年少合格者が、短答式をパスしたようだ。
9月には「論文式試験」も含めた本試験の最終合格者が発表される。もし、この受験者が最終合格すれば、19~20歳で司法修習生に、20~21歳で法曹(裁判官、検事、弁護士)の道へと進むことも可能になる。
予備試験の受験資格には、年齢、学歴、受験回数などの制限が設けられていない。合格すれば「正規ルート」とされる法科大学院修了者と同等の扱いが受けられ、司法試験の「本試験」にチャレンジすることができるのだ。