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    社会

    意外にインスタ映え?今が旬かも「山手線八景」

    ライター、元「東京人」副編集長 鈴木伸子
     1周29駅、その名をいくつ覚えているかを競うゲームが東京っ子の間で 流行 ( はや ) った。都心をぐるぐる回るJR山手線は、首都の「顔」の一つだ。2020年の五輪開催に向け、大規模な再開発が進む中、車窓から見える景色や、駅近くの街並みはどう変わっていくのだろうか。雑誌「東京人」の元・副編集長で、街歩きをライフワークとする鈴木伸子さんがその行方を展望し、今、見ておきたい景色を紹介する。

    リニューアル、拡張…日々変化する沿線風景

    • JR山手線の車両(今年5月撮影)
      JR山手線の車両(今年5月撮影)

     地名も何も書いてない東京の地図に、山手線の環状の線路の形を描いてみる。すると、「ああ、このあたりが東京の中心なのだ」とイメージがわいてくる。

     若者でにぎわう新宿、渋谷、池袋。パンダのシャンシャン人気で活気づく上野と御徒町。新駅設置で注目される品川―田町間……。個性豊かな街と街とを結びつける山手線は、そんな東京都心の象徴とも言える。

     山手線が環状運転を始めたのは大正14年(1925年)。今年で94年目となる。今、その車窓から眺めると、東京の街で日々進む劇的な変化を目にすることができる。

     新宿の高層ビルと言えば、かつては西口の代名詞だったが、最近は東口側の歌舞伎町周辺にも新築されるようになった。周囲に高層の建物が少なかった神田駅は、ホーム脇に重層高架が建設されて上野東京ラインが往来するようになり、景観が大きく変わった。

     現在の山手線の乗降客数ランキングのベスト5は、新宿、池袋、東京、品川、渋谷の各駅。どの駅も毎年のように拡張やリニューアルの工事が行われ、新宿駅はどんどん南口方向に広がりつつある。東京駅は丸の内側も八重洲側も駅前が整備され、趣を一新している。

    五輪後に急発展、2020年はどの駅前が?

     2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた動きも加速している。

     原宿駅は、最寄りの国立代々木競技場がハンドボール会場となることもあり、大規模な改修工事が行われている。初詣の時期だけに使用されていた明治神宮側の臨時ホームを常時使用のホームに改造するほか、表参道口側の大正時代築の現駅舎に代わり、新駅舎が建設される予定だ。

     渋谷駅周辺でも、JRや東京メトロの駅再整備、駅前での超高層ビル群の建設、パルコの建て替えなど、「100年に1度」と言われるほど大規模な再開発が進められている。

    • 建設工事が進む山手線・品川―田町駅間の新駅。開業は2020年
      建設工事が進む山手線・品川―田町駅間の新駅。開業は2020年

     そして、品川駅と田町駅の間には山手線の新駅が開設される。五輪前の2020年春に暫定開業する予定で、駅舎は新国立競技場の設計者でもある隈研吾氏がデザインする。駅名は「高輪」が有力なのではと取り沙汰されている。

     この新駅と、品川、田町、浜松町、新橋の各駅から近い東京湾の湾岸部には、2020年東京五輪の競技会場の多くや選手村が設置される。1964年五輪の会場となった渋谷、世田谷エリアが大会後に飛躍的に発展したことを考えると、2020年の五輪後は、山手線でも湾岸部に近いこれらの駅周辺が大きく変貌していくのではないか。

    2018年07月02日 14時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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