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    生活

    日本人の「海離れ」が止まらない理由

    日本大学理工学部特任教授 畔柳昭雄

    海辺のBBQ先進県・沖縄

     沖縄県民は海であまり泳がないが、友達が集まると、海辺でバーベキュー(BBQ)パーティーを開く習慣がある。近年整備された県内のビーチでは、背後に芝生広場がつくられ、BBQテーブルが多数設置され、駐車場やシャワーも完備。こうしたビーチは、休日にはBBQを楽しむ人たちで賑わい、ビーチバレーに興じる姿も見られる。

     同県では1975年の沖縄海洋博開催を機に、海水浴場からビーチに名称を変更。BBQ広場を備えたビーチ整備は、アメリカ・ハワイやオーストラリア・ケアンズの海浜で見かける「ビーチ&パーク」と類似している。公園と海浜を一体的に整備することで、来訪者がBBQとビーチスポーツ、マリンスポーツを堪能できるようにしており、海浜でのレクリエーションの多様化に貢献している。

     海水浴を単に泳ぐことだけで捉えるのではなく、それがもたらす効能を細分化して捉えることも重要だ。忘れがちなのは、海水浴全盛期に親子の会話や絆、信頼関係を深めることに大いに役立ったことだ。海水浴の機会が減り、親子のスキンシップも減ったと思われる。そうした場としての海水浴場を見直すと、新たな価値も見えてくる。地球温暖化が叫ばれて久しい。今年は4月下旬から気温上昇が続き、関東甲信地方は6月に梅雨が明けた。こんな蒸し暑い時に、素足を海に浸すことを想像するだけで、清涼感が広がる。

     夏の海水浴以外にも、4~5月は素足で(なぎさ)の散歩、10~11月は秋風に吹かれる。12月~翌年3月は厳しい寒さを体感する。こんな四季折々の多様な楽しみ方ができるのが、海の豊かさだ。

    プロフィル
    畔柳 昭雄( くろやなぎ・あきお
     1952年生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業。同大学院理工学研究科建築学専攻博士課程修了。工学博士。同大理工学部海洋建築工学科教授を経て特任教授。ジムのプールで800メートル泳ぐのが日課。

    2018年07月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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