文字サイズ
    スポーツ

    「2連敗からの逆襲」がW杯ロシア大会を面白くした

    読売新聞編集委員 川島健司
     サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会はベスト8が決まり、いよいよ終盤に入った。前評判が高いとはいえなかった日本代表が16強入りし、世界ランク3位の強豪・ベルギーをあと一歩のところまで追い詰める健闘を見せたことで、国内でのサッカーへの関心も再び高まってきたようにみえる。一方で、視野を世界規模に広げると、グループリーグの最初の2試合で結果が出せずに、ほぼ「死に体」となったチームが3試合目に見せた頑張りが、大会を面白くしていた。奮闘した4チームの戦いぶりを紹介しよう。

    「3戦目は勝つ」のがポーランドの伝統

    • ポーランドは今回も3戦目を勝ちきった。左はDFのイエンジェイチク。右は日本の酒井高徳(2018年6月28日、三浦邦彦撮影)
      ポーランドは今回も3戦目を勝ちきった。左はDFのイエンジェイチク。右は日本の酒井高徳(2018年6月28日、三浦邦彦撮影)

     ベスト16入りの可能性がなくなったチーム、可能性が極めて薄くなったチームにも、母国を代表してプレーすることへの誇りがある。彼らが最後まで全力を尽くしたことで、予想外ともいえる多くのドラマが生まれた。

     例えば日本が入ったH組のポーランド。初戦でセネガルに1―2と敗れ、2戦目はコロンビアに0―3と完敗を喫して、この時点でグループリーグ敗退が決まっていた。

     しかし、日本との3戦目はフリーキックから先取点を奪って1―0で勝った。1勝1分けだった日本は、ポーランドと引き分けてもグループリーグ突破を決められるところだったが、この敗戦で、セネガルと勝ち点、得失点差、総得点、直接対決の成績ですべて並び、W杯史上初となるフェアプレーポイント(出された警告、退場の枚数を数字に換算)の差で、辛くも16強入りを決めることになった。

     実は、ポーランドは、直近で出場した2006年、02年大会でも最初の2試合に敗れ、敗退が決まった後の3試合目で勝利を挙げ、1勝2敗で大会を終えている過去がある。精神的にキレないことが、伝統ともいえる。

     日本戦を前に、ベテランMFのブワシュチコフスキは「心理的には簡単ではないが、我々は決してあきらめないチームであることを見せたい」と話していたが、実際に、今回もそれを証明した形だ。ナバウカ監督は試合後、「ポーランドのファンに少しは喜びを与えられたと思う」と、最後に得た勝ち点3を誇った。

    2018年07月06日 10時10分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP