迫る「超ソロ社会」…ひとりで死ぬのは宿命か?

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「看取り難民」大量発生?

写真はイメージです
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 現在、日本人の約8割が病院で亡くなっているが、厚生労働省は医療費を圧迫する病床数の削減を狙い、自宅で亡くなる「在宅死」の比率を上げようと躍起になっている。

 その環境を整えるため、厚労省は医療・介護・生活支援を一体的に提供できる「地域包括ケアシステム」の構築を進めている。ただ、人材・財源面の地域格差の問題や、医療と介護の連携の難しさなども指摘されている。仮にこの施策が「かけ声倒れ」に終わってしまえば、「死に場所」に困る国民であふれてしまう事態にもなりかねないと筆者は考えている。

 実際、当の厚労省も12年に「30年に約47万人の『看取(みと)り難民』が発生する」との試算を公表しているほどだ。

 日本では近世以降、「家(族)」が介護・看取りの中心的な役割を果たしてきた。江戸時代の医療技術は貧弱だったが、死を家族が皆で抱え込み、互いに慰め合うことで、病人は安らかな死を迎える(看取られる)ことができたのだ。

 しかし、「病院死」が当たり前になってしまった現代の日本では、かつてのような「看取り」の文化はもはや「絶滅の危機」にあるといっていいかもしれない。そこに「在宅」への流れを作るとなると、おひとりさまが増えている今では、看取り難民が心配されるのは当然ともいえる。だが、そんな中、一人ひとりが安心して旅立てるよう、各地で新しい取り組みが生まれている。

「近所の住人」が看取る社会に?

 在宅療養支援診療所「ケアタウン小平クリニック」(東京・小平市)は05年10月に開設された。医師は開設者の山崎章郎医師を含めて3人。半径3~4キロ圏内の患者の訪問診療を実施しているが、今では、山崎医師らが担当しているがん患者の在宅死の比率は「8割を超えるようになった」という。

 これには、山崎氏が当初想定していなかった「副次効果」も表れているという。在宅での看取りを経験した遺族が、今まさに臨終を迎えようとしている近所の人たちをサポートする動きが出てきているのだ。

 ケアタウン小平の取り組みを通して山崎氏は「血のつながりはなくても、近所の住人など、その人を取り囲む人が最期を見送ればよいのではないか。いざというときに傍らにいてほしい人のリスト(5人分)を準備しておけば大丈夫だ」と思うようになったという。

 そして、その山崎氏が推奨するのは「ホームホスピス」である。ホームホスピスとは、住宅地の中の空き家を改修し、終末期のがん患者や認知症で独り暮らしが困難になった人々が「(つい)棲家(すみか)」として共同生活を営む取り組みだ。

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31539 0 深読み 2018/07/11 07:20:00 2018/07/11 07:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180706-OYT8I50037-T.jpg?type=thumbnail

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