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    国際

    ジャケットの背に捨てゼリフ? メラニア夫人の真意は

    読売新聞調査研究本部主任研究員 大内佐紀

    1か月以上も“雲隠れ”していた夫人

    • 前任のファーストレディー、ミシェル・オバマ夫人(右はオバマ前大統領)=ロイター
      前任のファーストレディー、ミシェル・オバマ夫人(右はオバマ前大統領)=ロイター

     公務に向かうファーストレディーは間違いなく公人で、メラニア夫人の真意がどうであれ、洋服の選択が適切だったとは言えないだろう。なぜ、誰も夫人を止めようとしなかったのか。

     ワシントン・ポスト紙によれば、メラニア夫人の公務をサポートするスタッフは10人。前任のミシェル・オバマ夫人や、その前のローラ・ブッシュ夫人の約25人から大幅に減った。メラニア夫人のリンゼー・レイノルズ首席補佐官は今年4月の段階で同紙に対し、「世話の焼ける人ではないし、自分で何でも決められるからだ」とその理由を説明していたという。ただ、ローラ夫人の首席補佐官だったアニタ・マクブライドさんは、公務に応じた発言や服装をアドバイスするのもスタッフの仕事とした上で、「なぜ、こんなことになったのか」と首をかしげている。

     実はジャケット騒ぎまでの間、夫人は1か月以上も公に姿を見せず、話題を集めていた。それ以前に夫人の姿が最後に確認されたのは、北朝鮮に身柄拘束されていた米国民3人を大統領とともにアンドルーズ空軍基地に出迎えた5月10日未明のこと。米メディアによると、これだけ長期間にわたってファーストレディーが“雲隠れ”するのは異例で、大統領とけんかしてホワイトハウスを出て行ったという説から精神的不調説まで、これまたさまざまな臆測を呼んだ。

    初の移民出身ファーストレディー

     メラニア夫人は1970年に、当時ユーゴスラビアの一部だった東欧スロベニアで生まれた。16歳の時からモデルを始め、26歳でニューヨークに移り住み、まもなくトランプ氏と知り合った。2005年には24歳年上のトランプ氏の3番目の妻となり、翌年、2人の間では最初、トランプ氏にとっては5人目の子どもとなるバロン君(12)が誕生した。

     外国生まれのファーストレディーは第6代ジョン・クインシー・アダムズ大統領の夫人に続き2人目で、移民から帰化したケースは初めてという。

     トランプ氏は、歴代大統領とは異なり、大統領就任前に公職に就いた経験も軍歴もない。夫が州知事から大統領になったナンシー・レーガン夫人やロザリン・カーター夫人であれば、州のファーストレディーとしての経験や心構えなどがあっただろうが、メラニア夫人にはそうした機会がなかったということだ。

     大統領選挙中には、夫人のものとされるセミヌード写真がネット上で出回ったり、夫の応援演説をすれば、東欧なまりが抜けない英語をやゆされたりすることもあった。政権の暴露本『炎と怒り』によれば、トランプ氏の当選が確実となると、夫人は青ざめ、涙を流したという。その伝でいけば、思いがけず背負わされたファーストレディーの役割を重荷と感じたとしても不思議ではないだろう。

    2018年07月17日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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