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    経済

    コンビニのレジからあのボタンがなくなったワケ

    マーケティング戦略コンサルタント 青山烈士

    加盟店間での購買情報共有は「なし」

    • コンビニ各社にとって、カードの利用により得られる情報は重要だ(写真は一部加工しています)
      コンビニ各社にとって、カードの利用により得られる情報は重要だ(写真は一部加工しています)

     このように共通ポイントカードは、販売戦略を練るうえで重要なカギとなっています。

     共通ポイントカードを運営する各社は、顧客にポイントを付与する一方、同時に顧客属性(年齢、性別など)や購買履歴などのデータを収集。この情報をもとに個々の消費者の買い物傾向などを分析、把握し、一人ひとりの顧客に最適な販促を行うことで、加盟店や消費者の「囲い込み」を図っています。

     運営会社はTカードがカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下の「Tカード・ジャパン」、ポンタカードは三菱商事などが出資する「ロイヤリティマーケティング」、このほか、「楽天ポイントカード」は楽天、「dポイントカード」はNTTドコモ。いずれも大企業の資本傘下です。

     共通ポイントカードには「共通」の名の通り、いずれも異業種の企業が多数加盟しています。個人情報保護法では、顧客が規約に同意していれば、加盟店間でも顧客情報の共有は可能です。

     ただ、個人情報への顧客側の意識の高まりもあり、現時点では「顧客の加盟店での購買情報は、加盟店間で共有する仕組みにはなっていない」(Tポイント・ジャパン広報担当者)といいます。一方、運営会社が顧客の購買動向などを把握しており、情報をもとに、加盟社が発行したレシートなどとともに、別の加盟社で使えるクーポン券などを発行しています。

     小売各社も、セブン&アイのナナコのほか、イオンの「WAON(ワオン)」で、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)のマイルなど様々な企業のポイントカードとポイントや情報の一部共有化などの連携を進めています。

    ポイント「四重取り」も?

     また、同時に複数のカードにポイントが付く店舗も出てきています。紳士服大手のAOKIでは、レジで「AOKIメンバーズカード」「dポイントカード」、そして「ポンタカード」の3枚を提示すれば、すべてのカードにポイントが付与され、「三重取り」ができるといった具合です。

     そして、クレジットカードで買えば、クレジットカードのポイントも還元されるので、実質的に「四重取り」となります。

     このように同じ店舗で複数のポイントカードが使えるような状況が増えていけば、もちろん複数のカードを持つ人は増えるでしょう。ポイントカードを巡る競争環境の厳しさを物語っている事例といえるかもしれません。

    2018年07月18日 07時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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