文字サイズ
    スポーツ

    ドリブラー受難…W杯で見た「サッカーのバスケ化」

    読売新聞編集委員 川島健司
     サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は、フリーキック(FK)やコーナーキック(CK)からのゴールが顕著だった。国際サッカー連盟(FIFA)が「セットピースの大会」と総括したように、計64試合のうち、PKを含むセットプレーからの得点は、全169ゴール中70にも上った(41.4%=PK成功による22点を除けば28.4%)。これは過去最多だった1998年フランス大会の62を上回っており、ロシア大会はセットプレーの重要性が改めてクローズアップされた大会となった。

    ハイプレスでもボールを奪えない

    • スペイン-イラン戦から。イラン(赤)は深く引いて、スペイン(白)はGK以外の全員が相手陣にいる(2018年6月20日)
      スペイン-イラン戦から。イラン(赤)は深く引いて、スペイン(白)はGK以外の全員が相手陣にいる(2018年6月20日)

     ロシア大会では、守る時には徹底的に自陣にひいて、ゴール前の守備を厚くする戦い方を選んだチームが目立った。前回ブラジル大会では、チリやコスタリカのように、前線から激しく相手にプレッシャー(ハイプレス)をかけて高い位置でボールを奪い、そこから手数をかけずにカウンター攻撃を仕掛けるチームの躍進が目についた。

     しかし今大会では、GK、DFを含めたボール回しのレベルが上がり、ハイプレスをかけても簡単にはボールを奪えなくなった。そのため、やみくもにボールを取りにいくのではなく、自陣で組織的な守備網を形成するチームが多く、これがある程度、功を奏した。

     例えばグループリーグで、スペインに0―1で惜敗したイラン。最終ラインに5人、時には6人が入り、相手ボールの際には全員が自陣まで戻って、「ティキタカ」と呼ばれるスペインの華麗なパス回しを寸断しようとした。その結果、中盤でのボールの奪い合いは減り、ピッチ全体を3分割してみると、イラン側の3分の1のスペースに、スペインのGKを除いた21人の選手が入ってしまうような極端な場面が出現した。

    2018年07月25日 07時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP