タワマンが都心に建てられなくなる日は近い?

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中央区にタワマンが建てられなくなる?

勝どき駅周辺のタワマン群
勝どき駅周辺のタワマン群

 そんな中、中央区は都営地下鉄勝どき駅、東京メトロ・都営地下鉄月島駅周辺といったタワマン密集地域を含む区内80%の区域で、要件を満たせば最大で建築基準法が定める基準のさらに1.4倍まで容積率を緩和するとしていた独自の制度を廃止し、20年続けてきた「居住誘導政策」を転換する方針を発表しました。18年度中にも正式決定され、19年夏にも施行される見通しです。

 前述の勝どき駅周辺の大規模計画はすでに開発が始まっており、現在の制度が適用されますが、これ以降、タワマン建設に優遇措置はなくなり、事実上、“規制”されることになります。

 その理由は「人口が増えすぎたから」です。

 中央区の人口は1953年に17万2183人でした。しかし核家族化などにより、40年にわたって人口流出が続いた結果、97年には7万1806人にまで落ち込みました。しかし、居住誘導政策の導入でタワマンを中心に住民が増え、今年7月1日現在で16万598人と、20年余りで2倍以上に膨れ上がったのです。

 中央区は元々、「定住人口10万人」の目標を掲げていましたが、タワマンが増えた影響で目標を大きく上回りました。なお、中央区のマンション居住率は1995年には66.4%でしたが、2015年には90%に達しています。

国勢調査より
国勢調査より

 都市にとって、定住人口が増えれば固定資産税などの税収が増えるメリットがある一方、保育園や幼稚園、小・中学校などの教育施設が足りなくなる、鉄道や道路などの交通インフラ、スーパーなどの生活利便施設の整備が追いつかないという問題が生じます。

 実際、朝の通勤ラッシュ時の勝どき駅は人であふれ、駅に出入りするのも一苦労。駅利用客は2000年には1日当たり2万7734人でしたが、16年には9万9517人と、7万人以上も増加しているのです。

 同じ中央区内でも、東京五輪・パラリンピックの選手村ができる晴海などは容積率緩和の見直しから除外されるため、まだ人口は増加すると思われます。一方で区は今後、マンションの容積率緩和制度を廃止する代わりに、ホテルや商業施設の容積率を緩和させる施策に転換するそうです。

 そうなると、容積率で劣るタワマンでは採算が合わず、ホテルなどとの用地仕入れ競争に勝てなくなることが予想されるため、おのずと人口流入は抑制されることになるでしょう。

江東区の「事実上の規制」とは?

豊洲駅周辺にも高層のタワマンが林立する
豊洲駅周辺にも高層のタワマンが林立する

 一方、湾岸の東京メトロ・ゆりかもめ豊洲駅周辺などにタワマンが林立する江東区も、今年秋からタワマンなどの大規模マンション(151戸以上)に、単身者向けの「ワンルーム」(25~40平方メートル)や3世代同居向けの「ゆとり住戸」(90平方メートル以上)を一定数以上整備するよう、デベロッパーなどに求める方針を打ち出しました。

 子育て世代などに人気がある70平方メートル前後の「ファミリー向け物件」の整備を実質的に規制し、人口増加を抑制するのが狙いのようです。

 同区は04年から、マンションの建設抑制を目的として、1戸あたり125万円の「公共施設整備協力金」を開発業者に課しました。一時的に人口の流入は鈍化しましたが、06年頃から再び人口の増加が加速し始め、オリンピック開催決定でさらに人口流入が進んでいます。

 江東区もかつて、人口は減少傾向にあり、1997年には36万8221人まで落ち込みました。しかし、中央区と同様に都心から近く、利便性の高い豊洲などの再開発が進んで人口は「急増」に転じ、今年7月1日現在で51万6985人と、20年余りで約15万人も上乗せされました。

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