自動ブレーキは「ぶつからないクルマ」?

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 車や人を検知して、事故を未然に防ぐ「衝突被害軽減ブレーキ」(自動ブレーキ)が十分に作動せず、事故に至ったとの報告が2017年の1年間で72件、国土交通省に寄せられていたことがわかった。国内では03年から自動ブレーキを装備した車両が市販され、その後、急速に普及。16年に生産された乗用車の66%(約248万台)に搭載されている。「ぶつからないクルマ」と評されることも多い自動ブレーキ搭載車で、なぜ事故が相次いでいるのか。モータージャーナリストの御堀直嗣氏に解説してもらった。

「ブレーキが勝手に作動」249件

 今年7月、「自動ブレーキ事故72件」の報道があった。2020年に高速道路での自動運転実用化へ向けた開発が進められているさなか、こうした報道は、自動車メーカーも消費者も、自動ブレーキに対する正しい理解と使い方の認識が不可欠であるとの警鐘を鳴らしたと言える。

 国交省によると、昨年にドライバーやメーカーなどから報告のあった自動ブレーキのトラブル情報は計340件に上る。

 安全性の技術的検証を行っている独立行政法人・自動車技術総合機構の交通安全環境研究所が分析したところ、自動ブレーキが十分に作動しなかった例は88件あり、そのうち72件が接触や追突などの事故につながっていた。歩行者がはねられて死亡した事故も1件あった。

 一方で、不必要な場面で自動ブレーキが勝手に作動したという例が249件あり、そのうち10件が予期せぬ急減速・急停止で後続車に追突されるなどしたという。

「自動運転ではない」

 安全に関わる装備や機能は、完成度と信頼性が十分に高められたうえで市販されるべきである。しかし、事故を未然に防ぐことが目的であるため、一刻も早い導入が事故低減につながることにもなる。

 完璧を目指すのはもちろんではあるとしても、現実の交通では不確定要素がつきまとうため、何をもって完璧かという答えを出すのは難しい。また、それをずっと待っていては、新たな技術で回避できたはずの事故を防ぐことができないことにもなりかねない。

 衝突被害軽減ブレーキはすでに量産され、市場に出回っている。ならば、その機能や作動条件をメーカーは正しく伝え、消費者に正しい理解を促すほかない。現在、市販車に搭載されている運転支援機能は、すべて「自動運転ではない」ことを改めて認識し、過信しないよう肝に銘じることも求められる。

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