夏休み明け「死にたい」子どもを自殺から救うには

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どこにも居場所がない

(画像はイメージ)
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 アメリカの心理学者トーマス・ジョイナーは、自殺行動を起こすための三つの条件を指摘しています。

 〈1〉自分は世界で1人で、だれも自分のことを気にしていないという認識

 〈2〉他人にとって自分の存在は負担であり、死んだほうがましだという思考

 〈3〉自殺をするための力・衝動

 つまり、自分はどこにも居場所がないという「自己所属感の脆弱(ぜいじゃく)」、自分が周囲に迷惑をかけているという「自己負担感の知覚」の二つがあると、自らの存在を否定し、「死にたい」という気持ちになります。これに加え、自殺をする手段や方法といった情報収集能力、自らを駆り立てる体力も必要です。

 子どもたちは、若さゆえに完全主義に陥りやすい傾向もあります。だから、何かに行き詰まったら、「もうどうにもならない」「やってられない」などと思い込み、衝動的に自殺へ走ってしまうこともあります。

 

「何げない言葉」が引き金に

(画像はイメージ)
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 ある女子高校生の仲良しグループの4人が、LINEで行っていたやり取りが原因で自殺を意識したという例を紹介しましょう。

 「A子って、B子の彼氏のこと、いい感じに思ってるんでしょ」

 「そうなの? そんなの許さない」

 「A子やばくない?」

 「A子、まじ、ありえない」

 深夜のグループラインに、短い言葉が次々に放り込まれていきます。A子の「行為」を許せないという意図だったはずが、同調するグループメンバーの加勢で、A子は人格否定されているような気持ちになります。

 「もう、このグループにいられない」

 「学校に行ったら、いじめられる」

 「死んでしまいたい」

 スマホの画面をスクロールするA子が、こんなふうに思いつめ、自らの存在意義が脅かされる事態に陥っていることを仲間も気づきません。実際、大人からすると、「こんなことで?」とびっくりするようなケースもあります。

 「だれもお前を相手にしない」

 「お前がダメだからこんなことになった」

 「あなたなんか、もういらない」

 親や教師が放つ不用意なこうした言葉が、〈自己所属感〉を否定したり、〈自己負担感〉を責めたりすることになり、自殺の引き金となってしまう可能性があるのです。

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38205 0 深読み 2018/08/27 09:05:00 2018/08/27 09:05:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180824-OYT8I50031-T.jpg?type=thumbnail

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