トランプ氏を「救世主」と仰ぐQAnonの闇
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中間選挙への影響は?

それでは、QAnonの台頭は、今年のアメリカ最大の政治イベントである中間選挙に、どんな影響を及ぼすだろうか。結論から言えば、選挙の結果そのものに対する大きな影響力はないとみられるが、選挙後の政権運営を左右する可能性は大きい。
中間選挙には時の政権に対する「評価」の意味合いがあるが、8月15日に発表されたCNNの世論調査によると、民主党支持(52%)が共和党支持(41%)を上回る。
「トランプ氏の政権運営を認めるか」という質問に対して、「認めない」という回答が53%だった一方、「認める」は35%にとどまるなど、中間選挙では共和党の現有の議席は維持できないと予想される。いくら熱狂的なトランプ支持者の集まりでも、QAnonにこれを挽回するほどの力があるかどうかは疑問だ。
ただし、仮に中間選挙で共和党が議席を減らし、政権の求心力が今まで以上に低下すれば、共和党内部からの政権批判も起こりやすくなる。その場合、トランプ氏にとって「頼れる支持基盤」としてのQAnonの重要性は、これまで以上に大きくなる。
すでに8月15日、トランプ氏は政権批判の急
つまり、中間選挙で共和党が勝って政権の求心力が高まった場合より、共和党が敗れて政権がレームダックに陥った時ほど、QAnonの影響力は強まるとみられるのだ。その場合、トランプ氏の政権運営は、これまで以上に危険なものになると言わざるを得ないのである。
