ノートが日産悲願の「年間販売1位」になる意味

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充電なしでEVを味わえる「走行感覚」

月間の販売台数で1位をキープするトヨタ・アクア
月間の販売台数で1位をキープするトヨタ・アクア

 ノートe‐POWERは、日産の電気自動車(EV)「リーフ」の技術を応用したハイブリッド車(HV)だ。搭載するエンジンで発電を行いながら、その電力でモーターを動かし、走行する。

 トヨタのプリウスやアクアのハイブリッドと同じように、エンジンとモーターの両方を搭載している。違いは、トヨタ方式がエンジンで発電も走行もするのに対して、e‐POWERで採用された日産方式は、走行をあくまでモーターのみによって行うという点だ。したがって、発電のためのエンジン音はドライバーの耳に届くが、走りはEVと同じようにモーターによる走行感覚となる。

 その特徴は、発進が力強く、その後の加速は変速がないため滑らかで、穏やかにスピードを上げていくことだ。もちろん、アクセルペダルを踏み込めば、エンジン車以上と思える瞬発力を発揮する。理由は、エンジンに比べモーターの方が低い回転で大きな力を出せるからだ。

 EVは、リチウムイオンバッテリーに充電された電力を使ってモーター走行するが、e‐POWERは、エンジンで発電した電力を使いモーターを稼働させる。電力の供給の仕方が異なるだけで、EVと同じような走行感覚を得られるのがe‐POWERの最大の特徴だ。別の言い方をすれば、充電せずにEVの走りを体験できるということだ。

「e‐Pedal」がもたらす新しい走り

 さらに、e‐POWERで強く打ち出されたのは、アクセルペダルのみで、発進・加速から減速・停止までを可能にするe‐Pedal(イー・ペダル)の機能だ。減速の際には、モーターが発電機の働きをし、エンジンブレーキのような減速を可能にしている。加速のみならず、減速もアクセルペダルだけで行えるようになった。

 この減速の仕組みは、「回生(かいせい)」と呼ばれる。アクセルペダルを素早く戻すと、急減速するような強い回生が働き、ゆっくり戻せばブレーキペダルを踏みながら徐々に減速するような回生が働く。右足のアクセル操作を交通状況に合わせて調整することで、発進・加速・減速・停車をアクセルペダルだけで行える。

 この仕組みは、リーフはもちろんのこと、BMWのi3やテスラの各車などのEVでは当たり前に備える機能である。ただ、日産はノートe‐POWERを市場に導入するまで、このe‐Pedalの特徴をあまり強調してこなかった。海外のEVは、エンジン車と異なる運転感覚のワンペダル操作をPRするが、日産は初代リーフ導入時、エンジン車と違わない走りや操作性を初代リーフ導入時に示してきた。ドライバーのEVに対する抵抗感に配慮したためだ。

 これまで、ハイブリッドカー(HV)が燃費の良さを最大の売りにしていたのに対し、日産のe‐POWERは、e‐Pedalを商品性の特徴とすることで、モーター走行が新しい運転感覚をもたらすことを証明した。トヨタやホンダのHVとは違う、日産独創のHVとして付加価値を高め、多くの消費者の心をとらえた。

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41709 0 深読み 2018/09/16 08:23:00 2019/01/22 16:13:19 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180913-OYT8I50053-T.jpg?type=thumbnail

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