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    生活

    損をする前に知りたい…老後資産を守るマネー術

    ファイナンシャルプランナー 花輪陽子
     「人生100年時代」、老後をいかに豊かに過ごすかは重要なテーマだ。政府は高齢者の雇用環境整備を急ぐ考えを示しているが、若いときと同じように働いて収入を得るのは簡単なことではない。「老後破産」などの事例も相次いでいる。最近の金融庁などの報告によると、収入面の不安から、慣れない投資に手を出して失敗したり、制度の理解不足から手にできるはずのお金を取り逃したりしているお年寄りも多いようだ。知識不足が原因で老後資産を失わないために、「損しないマネー術」をファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんに解説してもらう。

    必ず押さえたい三つのポイント

    • 写真はイメージです
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     「住宅保有率が高く、金融資産残高も多い」。しかし、「労働所得が少なく将来的に不安が大きい」。だから、「毎月の食費や光熱費、医療費などを負担に感じ、節約志向が高まっている可能性がある」――。

     2017年度の「年次経済財政報告」で、内閣府が分析した日本の高齢者の経済状況だ。一定の資産を持つものの、現役時代に比べれば少なくなった収入に不安を感じ、財布を固く閉じているお年寄りたちの姿が浮かび上がる。とはいえ、心配ばかりしていては心の「豊かさ」まで失いかねない。大切なのは「要領」。必ず押さえておきたいのは、次の三つのポイントだ。

     1.投資でカモにされない
     2.生活支出を放置しない
     3.「取れるお金」を取り逃さない

    投資信託、半数近くが「損失」

    1.投資でカモにされない

     高齢者の経済状態を考える時、まず、注意が必要なのは「資産が多い」という点だ。

     高齢者の投資に関する危険性はこれまでも指摘されてきたが、国民生活センターに寄せられる最近の相談事例をみても、「証券会社に勧誘され、老後資金を増やすつもりで海外の不動産投資信託などに投資したところ損失が出た」「一人暮らしの母が十分に理解しないまま投資信託契約をさせられた」「父が高額な投資信託を契約したが、値下がりのリスクや手数料などをわかっていない」といったものが依然として多い。

     低金利が続き、銀行は貸し出しの「利ざや」を得にくくなり、投資信託(投信)による手数料収入に力を入れるようになった。しかし、金融庁が6月末にまとめた報告書によると、投信を保有していた顧客の46%が損失を抱えている。いかにリスクが高いかわかるだろう。退職金などで資産の多い高齢者は、特に勧誘されやすいという事情もある。

     金融庁の別のリポートをみると、手数料の高い投信の中には、高齢者の資産運用には向かないものが多いことが指摘されている。高齢者に「向かない」投信とは、次のようなものだ。

    2018年09月26日 15時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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