「優柔不断」な鈴木亜由子がマラソンに挑戦するまで

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 8月の北海道マラソン・女子で、鈴木亜由子(26)が、初マラソンで見事に優勝、来年9月に行われる2020年東京五輪の代表決定レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得した。世界選手権のトラック種目で入賞にあと一歩まで迫っていた女子長距離界のエースが、悩み抜いた末にマラソン挑戦を決断した背景に迫った。

筋肉痛に耐えて初マラソンで初優勝

初マラソンで優勝して笑顔を見せる鈴木亜由子(2018年8月26日、平野和彦撮影)
初マラソンで優勝して笑顔を見せる鈴木亜由子(2018年8月26日、平野和彦撮影)

 8月26日。アジア大会(ジャカルタ)女子マラソンの号砲がなってから約1時間後、約6500キロ離れた札幌で、鈴木が初マラソンのスタートラインを踏み出した。

 レースは12キロ付近で、谷本観月がペースメーカーの前に飛び出して、みるみるリードを拡大。2015年世界選手権代表の前田彩里らが追撃姿勢を見せるなか、鈴木は「風もちょっと向かっていたし、谷本さんがめっちゃ調子がいいとかじゃなければ大丈夫かな」と、冷静に自分のペースを守った。

 鈴木は、中間地点を谷本から41秒遅れの1時間14分44秒で通過すると、ペースメーカーが外れた25キロ過ぎから満を持してギアを上げた。谷本を33キロ付近で抜き去ると、女子では大会歴代8位の2時間28分32秒でゴールした。

 スタート時点の気温約22度からゴール時は約28度まで上がる暑さの中でも、後半の方が前半より46秒早いタイムを刻み、日本陸連の山下佐知子・五輪強化コーチは「2020年の五輪本番に向けて、内容は素晴らしいものがあった。メダル候補として考えている」と称賛した。

 はた目には順風満帆に見えたデビュー戦だが、鈴木本人は「初マラソンの洗礼」に苦しんでいた。残り10キロから、太もも前部やふくらはぎに、トラックレースや駅伝では感じたことのない筋肉の痛みを感じ、「途中で(筋肉が)切れるんじゃないかな、ここを強化しなきゃいけないな、と思いながら走っていた」と明かす。

 その反面、懸念したスタミナ切れは起きず、「呼吸とかは、練習の方がきつかった」と好感触をつかんだ。「42キロをしっかり走り切れたという点で、今後につながる一本だったかな。課題と可能性と手応えを感じられるレースだった」と充実感を漂わせた。

 

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