ホテル経営はおいしい?相次ぐ異業種参入の理由

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

【誘引1】選ばれる「好き嫌いのはっきりしたホテル」

TRUNK(東京都渋谷区)
TRUNK(東京都渋谷区)

 ホテル業界を取り巻く重要なポイントとして、社会構造の変化、テクノロジーの進化、それに伴うライフスタイルの変化・多様化が挙げられます。

 この変化を好機として捉えようとしているのが、アパレル、雑貨販売、カフェなどの異業種です。

 では、具体的にどのような変化が生まれているのでしょうか?

 ホテルマーケットの形成段階はいくつかのフェーズに分かれます。

 100年単位でさかのぼると、まず、帝国ホテルなどが生まれた時代があります。この時代は、主に海外の賓客をもてなすためのホテルとの位置づけでした。

 その後、前回の東京五輪(1964年)前に多くのホテルが建てられました。続く、高度経済成長期に入ると、シティーホテルやビジネスホテルという日本独特のモデルが生まれました。大量に増える需要をいかに効率的にさばくかという点が重視された時代です。マスを対象とした効率重視のホテルは、ともすれば「無個性」「画一化」に陥りやすいという欠点もありました。もちろん、これまでは、こうしたホテルの形態が時代に即していたのです。

 ところが、一億総中流と言われ、みんながボウリング、テニス、スキー、ゴルフなどの同じような趣味に取り組み、会社では団体旅行をするという時代はとうに終わりました。

 現在は、〈多様化の時代〉です。ここに、異業種がホテルへ参入する一つ目の機会が訪れたのです。幼少期から多チャンネルの中で、多彩なテレビ番組を選び、自身の好みにあった遊びやスポーツをする世代が消費の中心として台頭しています。

 情報収集やホテル予約の方法も様変わりし、ミレニアル(=デジタルネイティブ)といわれる世代は、好き嫌いのはっきりした個性的なホテルを求めているのです。

【誘引2】参入障壁が低くなったホテル

ワイアードホテルアサクサ(東京都台東区)
ワイアードホテルアサクサ(東京都台東区)

 二つ目の機会として、以前と比較すると、ホテル事業参入の障壁が低くなっているということも言えます。

 これまでは、新しいホテルブランドを立ち上げたとしても、その存在を日本中、さらに世界へ周知するというのは大変なことでした。多くの労力や多額の広告費が必要でした。ところが、デジタル時代の現在、ホテルを周知する方法はインターネットのおかげで、はるかに容易になりました。

 もちろん、ホテルが広く認知されたからといって、利用者が予約・購入へ進むには、やはり相応のハードルが存在します。

 SNSを活用したマーケティングや自社ホームページに掲載する画像がホテルのイメージを左右します。そのため、インスタ映えする「この一枚」や口コミサイトの評価などに細心の気配りが求められます。

 この点は、飲食や小売りといった業界が得意分野とされます。アパレルなどの業界が、本業との親和性や、得意とする企画力、コンセプト設計・デザイン力を生かしたホテル業に参入するのは、極めて自然な流れとも言えます。ファッション性の高いアパレルやカフェなどから参入したホテルのホームページが、いかにもセンスのいい仕立てになっているのも共通した特徴です。

 このような新しいタイプのホテルは、従業員とゲストの関係も従来とはちょっと異なります。

 異業種参入組の中には、あえて新たにホテルの人材を採用しないという例もあります。伝統あるホテルは、かしこまったスタッフによる歓待も特徴の一つですが、異業種参入ホテルは、まるでお気に入りのセレクトショップにでも立ち寄ったかのように、フレンドリーな雰囲気で出迎えられることがあります。

 既存のホテルオペレーション・人材に依存しない、新しいホテルのスタイルができつつあるのです。

1

2

3

4

44311 0 深読み 2018/10/13 07:45:00 2018/10/13 07:45:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181011-OYT8I50037-T.jpg?type=thumbnail

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ