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    生活

    東大もネコである…文学、医学から雑学まで大特集

    東京大学広報室長 須田礼仁
     猫にちなんだ商品やサービスが相次ぎ、テレビCMなどでも猫が引っ張りだこ。最近はまさに「猫ブーム」だ。2017年に猫の飼育頭数が犬を逆転したというニュースは大きく取り上げられた。そんな「ブーム」に乗ったのだろうか。東京大学が9月に発行した広報誌「淡青」のテーマは「猫」。それまでの内容とは一線を画す「ゆるさ」が学内外で評判になった。異例の「猫号」はなぜ生まれたのか。18年度から広報室長を務める須田礼仁教授に聞いた。(聞き手 メディア局編集部 阿部明霞)

    19年間で初めての「猫」

    • 淡青37号(猫号)を手にする須田室長
      淡青37号(猫号)を手にする須田室長

     ――「淡青」の第1号は1999年に発行されました。これまでのテーマは「地域と東大。」「世界と東大。」「イノベーションと東大。」など、難しそうなものが多い印象です。

     淡青のテーマは、その時期に「東大として何を発信するか」で決まります。東日本大震災が起きた時には「再生」がテーマになりましたし、他にも総長の交代やノーベル賞受賞など、その時期に合わせたテーマを取り上げてきました。

     そうでないときは様々なテーマを扱います。卒業したOB、OGたちに東大とのつながりを大事にしてもらうことを意識して作っていますから、本、スポーツ、学生生活など、思い出につながるようなテーマを選んできました。

     ――テーマは教授や広報課職員らによる広報誌部会で、案を持ち寄って検討し、決められるとか。今回の猫も「猫ブームだから」という理由で案に上がったそうですね。「東大」と「猫」にあまり直接的なつながりはないように見えますが、キャンパス内で野良猫を見かけることがあります。駒場では「駒猫」と呼ばれ、1996年の東大新聞には本郷キャンパス内の猫マップが掲載されたほど、かつては数も多く、学生や教職員らに親しまれていました。

     猫がテーマとして「いいね」となったのは、「ブーム」だからというよりも、なぜ「ブーム」なのかという疑問からです。日本人の考え方や生活の変化という点で、「猫」という切り口がおもしろそうだった。犬と違ってすり寄っても来ないのに魅せられてしまう。ある意味、神秘的な動物です。そして、猫と東大のつながりを調べてみると、思いもよらず、いろんな研究があることがわかりました。

    時局に鑑みて

    • 特集を飾った東大の野良猫たち
      特集を飾った東大の野良猫たち

     ――5~6個の案の中からテーマが「猫」に決まったのには、実は須田室長が「猫好き」だったからということも後押しに。ところで、肝心の「猫ブーム」という言葉はあまり前面に押し出されてはいません。タイムリーに見えるこの言葉を表紙から外したのも須田室長だそうですね。

     猫を食いつきの良い「エサ」にはしたくありませんでした。「釣り」のような形になってはいけないと思いました。ですから「猫ブームだから」を東大らしく、品位を持って、「時局に鑑みて」という表現にしました。目的は猫を切り口に東大を紹介することですから。

    2018年11月05日 12時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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