快慶ら「慶派」名作ずらり…東博で京都・大報恩寺展

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 東京国立博物館(上野)で12月9日まで開かれている特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」(主催・東京国立博物館、大報恩寺、読売新聞社)は、心の安らぎを提供してくれる展覧会だ。ここで来場者は、大報恩寺の誇る本尊「 釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう) 」(重要文化財)や、快慶、 定慶(じょうけい) ら「慶派」と呼ばれる鎌倉仏師たちの手による、普段めったにお目にかかれない名作に出会える。このほか、表情豊かな「十大弟子立像」や「六観音菩薩像」が並び、幻想的な空間を作り出す特別展の見どころを紹介する。

「十大弟子立像」が勢ぞろい、秘仏「釈迦如来坐像」も

東京国立博物館で開かれている「京都 大報恩寺」展の会場風景
東京国立博物館で開かれている「京都 大報恩寺」展の会場風景

 大報恩寺は、鎌倉時代の古刹(こさつ)で京都市上京区に所在する。1220年(承久2年)に開創され、本堂が京都市最古の建造物として国宝に指定されていることでも名高く、京都では「千本釈迦堂」の名で親しまれている由緒ある寺だ。

 この大報恩寺に伝わり、年に数回しか公開されない秘仏である釈迦如来坐像は、快慶の弟子・行快が師匠の没後まもなく残した代表作。この由緒ある本尊に加え、快慶が晩年に手がけた名品・十大弟子立像がそろって外部で公開されるのは初めてのことだ。

 群青で統一された東京国立博物館の展示空間。黄金色の釈迦如来坐像が、暖色のスポットライトの中に浮かんでいる。その周囲を、生きた人間のような表情も見せる釈迦の十大弟子立像が取り囲む。釈迦に連なる数多くの弟子たちの中でも、特に優れていると認められた面々だ――。

全体が丸みを帯びている「阿難陀立像」
全体が丸みを帯びている「阿難陀立像」

 本尊の周囲に居並ぶ10人の弟子たちの1人、目けん連の立像に吸い寄せられる。間近で見ると、決然とした表情は気迫にあふれている。陰影のはっきりした首筋、浮き出たあばら骨、右腕を走る血管……。細部に魂のこもった立像は、来場者が話しかけたら答えてくれそうだ。神通力を持っていたと伝わる人物の眼光は鋭く、釈迦の護衛を務めたといわれるだけあって、肩の筋肉にも緊張がみなぎる。鎌倉時代を代表する仏師・快慶の手になる作品というのもうなずける。

 知恵者として知られ、釈迦が一番弟子と呼んだ舎利弗(しゃりほつ)の立像はすぐ隣にある。すべてを見通すような深みのある目と、やや不均一に形作られた大きな頭頂部が印象的だ。

 対照的なのは、釈迦の秘書役を務めるには最適の弟子だったという阿難陀(あなんだ)立像だろう。性格が穏やかだったという古伝そのままに、頭部や体が全体に丸みを帯びている。実際も男振りが良く、女性たちに招かれて説法をすることが多かったという阿難陀。女性の出家を認めるべきだと釈迦を説得し、尼僧を迎え入れるきっかけを作ったとされる伝承も、この立像を前にすると説得力があるように思える。

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