採用倍率100倍!オフィスがない会社とは?

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 政府が、自宅やカフェなどでパソコンやスマートフォンを駆使して仕事をする「リモートワーク(テレワーク)」を推進している。しかし、大企業などは、「推進している」といっても、一部の部署にとどまっているのが実態だ。そんな中、実質的にオフィスを持たず、パソコンの会話システムなどをフル活用して、社員が「通勤時間ゼロ」で働ける企業がある。中小企業の経理業務を、ICTを使ってサポートする事業などを展開する「キャスター」(本店・東京)だ。従業員が住む地域は国内各地のみならず、海外にも及ぶ。普段は人がいないことも多いという「本店」に足を運び、その働き方を取材した。

部下に「ほとんど会わない」

キャスターの「ビデオチャット」の画面
キャスターの「ビデオチャット」の画面

 キャスターの石倉秀明COO(最高執行責任者=36)と、北海道石狩市在住の社員、佐藤治子さん(48)らに話を聞いた。ちなみに、佐藤さんは自宅からの「ビデオチャット」での参加だ。

 キャスターの正社員は役員を含め約40人、契約社員を含めると約190人だ。東京に「本店」はあるにもかかわらず、住んでいる場所は34都道府県に上るという。さらに、国内や海外の十数か国に住む人が、業務委託やアルバイトなどの形で働いている。その数は約340人。総勢約530人の規模だ(人数は10月現在)。

 同社は、あらゆる仕事でリモートワークが可能だ。「インターネットにつながるパソコン」があれば、世界中どこにいてもあらゆる従業員が仕事をできる仕組みになっている。部署によってフレックスタイム制を導入しているなど、勤務時間はまちまちだそうだ。

 一応、小さなオフィスは持っているが、働く場所は「社員の気分による」(石倉氏)という。石倉氏自身も「(中川祥太)社長とも、もう1か月ほど会っていない。さらに3人の取締役のうち、女性1人は宮崎県在住なので、ほとんど(直接)顔を合わすことはありません」というから驚きだ。

 社内の打ち合わせなどはインターネット上で顔を見ながら会議ができるビデオチャットのシステムと、LINEのような「チャットツール」を使う。ビデオチャットでは約50人で会議をしたことがあるそうだ。

 海外の従業員は米国や欧州などにいる。例えば、ドイツの従業員は、日本時間の夜間に発生する利用者対応(カスタマーサポート=CS)などを手掛けている。

 部署が違うと顔を見ることさえ、めったにない。石倉氏は「佐藤さんも3年ぐらい働いてもらっていますが、顔を見たのは3回目。自分自身の部下でも直接会ったことがない人は多い」と笑う。

「契約社員」なのに事業部長

 正社員は「リーダー」や「マネジャー」などの管理職が多いが、「勤務開始から最初の半年は契約社員として働いてもらうようにお願いしているが、正社員も契約社員も給与、福利厚生は変わらない。呼び方の違いだけ。契約社員のまま事業部長になるケースもあります」と石倉氏は説明する。

 「(正社員、契約社員のどちらを選ぶかという)生き方の違いもあるでしょう。正社員に興味がないという人もいるでしょう。『働いてみたら(イメージと)全然違っていた』いう人もいて、続ける中で正社員になる人もいます」(石倉氏)

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