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    生活

    年収1000万円超でも老後資金不足のナゼ

    ファイナンシャルプランナー 花輪陽子
     世帯年収1000万円超でも貯蓄額が少ない家庭がある。住宅ローンがあり、教育費にお金をかけている世帯はその可能性が高い。「平均以上の年収だから、生活レベルも平均以上に」と「ワンランク上」の消費ができそうだが、実は家計をチェックするとそんな余裕はなく、ちょっと 贅沢 ( ぜいたく ) をしただけですぐに赤字に転落するとファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんは指摘する。

    高収入なのに老後資金不足

    • 画像はイメージです
      画像はイメージです

     ファイナンシャルプランナーに相談する人の中には、世帯収入が平均以上なのに貯蓄が少ない人がいる。定年直前に老後資金不足に気づくケースもあり、この場合は特に深刻だ。40歳代半ばでも、年間の貯蓄額が数万円から十数万円だったら注意した方がいい。「今は、住宅、教育に支出が多いが、落ち着けば次第にたまってくるはず」と考えている人はさらに危険だ。後述するが、子どもが就職して「落ち着く頃」から、収入は減り始めるからだ。

    危険な「平均より上だ」の心理

     こうした人の多くが「贅沢はしていない」と言う。しかし、直近の年の1月1日と12月31日時点の貯蓄総額を書かせると、わずかしか増えていない。そんな現実を見てもなお、「普通の暮らしをしているのになぜ?」と疑問をぶつけてくるほどだ。

     実際は、収入に見合った支出をしていないのを自覚できていないのだ。「平均収入より上だから、生活水準も平均より上で」という意識を全ての支出項目で持ってしまっている人が多い。

     私が相談を受けた、子どもが2人いる40歳代の夫婦で、世帯収入が約1000万円のケースでは、月60万円の手取りだったが、貯蓄はほとんどできていなかった。

     この夫婦の場合、都内に買ったマンションのローンが月15万円、子どもの教育費が月10万円。高級ブランド品はあまり買わないものの、専業主婦の妻はママ友とのランチ、夫は最新のスマホなどのデジタル最新機器、高級な文具などをよく買っていた。夫はコーヒーも専門店などで頻繁に購入。妻も月に数回は高級スーパーでお総菜などの買い物をするなどしており、こうした「ちょっとした贅沢」が重なり、支出も毎月60万円近くになっていたのだ。

     日常的に「平均より上」の支出を多岐にわたってしていれば、気付かぬうちに支出の総額は膨らんでしまうのである。

    2018年11月12日 14時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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