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    経済

    「秘密があってもOK」に共感する夫婦増加の衝撃

    野村総研上級コンサルタント 松下東子
     野村総合研究所が1997年から実施している「生活者1万人アンケート」の最新調査結果が発表された。調査は3年に1度、実施され、調査員が消費者の家庭を訪問して調査票への記入を依頼、後日回収する方法が20年以上続けられている。今回の調査では、家族が1人に1台、スマホを持つ時代になり、夫婦間の秘密を肯定する割合が伸びていることが明らかになった。インターネットショッピングは10代の利用が増え、家庭での個人消費が進んでいる。野村総研上級コンサルタントの松下東子さんが報告する。

    「お茶の間の団欒」の消失

    • (画像はイメージ)
      (画像はイメージ)

     夕食後のとある家族の風景。高校生の兄(16)が、スマホを手に「部屋に行って、ディスコード(チャットシステム)で友達と通話しながら宿題やってくる」というと、中学生の妹(13)が「待って、こないだ教えてもらったビデオのシリーズ、見終わっちゃった。新しいお薦め教えてから行って」とビデオ動画配信アプリを立ち上げたタブレット端末を手に呼び止める。チャイムが鳴り、ドアホンのカメラを見て「宅配便だ。頼んだの誰?」と母(45)が聞くと、「多分俺だ。来月のマラソン大会向けに今週末に仲間と走ってくるから、ランニングシューズ新調したんだ」と玄関に向かう父(47)。「じゃあ私もこれからフレンドとゲームマッチ行ってくる」とスマホを手にする母の耳には、昨日届いたばかりのゲーミングイヤホンが刺さっている――。

     「お茶の間」といえば、テレビを囲んで家族が会話する団欒(だんらん)の場。卓袱台(ちゃぶだい)がダイニングテーブルやローテーブルになり、ソファに座るようになっても、その光景は形を変えながらも家族のあり方として続いてきました。それが、日本では今、消えゆこうとしているようです。

     この変化にはもちろん、スマートフォンの普及が大きな役割を果たしています。日本人全体でのスマートフォンの個人保有率は7割を超え、特に父、母、子世代である40代以下では約9割からそれ以上となっています。

     スマートフォンで楽しむアクティビティーの幅も増え、それぞれのアクティビティーの従事率も大きく伸びています。特に、動画の視聴やソーシャルゲーム、SNSでのコミュニケーションは高い従事率を見せており、スマートフォンが格好の時間つぶし・コミュニケーションツールになっていることがわかります。

     これらのデータからは、家族が自分の部屋で、あるいはリビングにいて場を共有していても視線を合わせることなく、それぞれのスマホでゲームや動画、各自が属するコミュニティーでの会話を楽しむ、「背中合わせの家族」像ともいうべき姿が浮かび上がってきます。

     

    2018年11月15日 07時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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