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    IT

    子どもが踊る!「TikTok」ブームに潜む危険

    ITジャーナリスト 高橋暁子

    YouTubeに「転載」→黒歴史化?

     TikTokに投稿した動画は、YouTubeにまとめて「転載」されていることも多い。YouTubeで「TikTok」と検索しようとすると、「TikTok かわいい」などと並んで、「TikTok 黒歴史」という検索ワードも表示される。黒歴史とは、「無かったことにしたい過去の出来事」などのことを指すネットスラングだ。

     可愛い子が人気が出る一方で、「勘違いブス」などといったタイトルを勝手に付けられ、TikTokに投稿した動画をYouTubeで公開されてしまう子もいるのだ。アプリユーザーしか閲覧できないTikTokに比べ、YouTubeは誰でも見ることができるため、拡散の範囲が段違いに広い。

     「TikTok 小学生女の子まとめ」などとタイトルをつけて、小学生ティックトッカーの動画を投稿している例もある。ある小学生の女児は「自分の動画がYouTubeに投稿されてしまったことに気づき、TikTokの利用をやめた」という。

     YouTubeにいったん投稿されてしまうと、自分で動画を削除したくても、簡単にはできないのだ。

     一時は子どもたちが承認欲求から、自らわいせつな動画を投稿するのでは、との懸念もあった。SNSに写真や動画を投稿した時点で、全世界に公開したも同じ。何に使われるかもわからない。大人ならば常識でも、子どもたち、特に小学生には理解できていない場合もある。子どもにもそうした点をしっかり教えるべきだと筆者は考えている。

    コメント欄で個人情報公開、会っている例も

    • コメント欄には、「LINE」のID交換を求めるコメントも多い(写真は加工しています)
      コメント欄には、「LINE」のID交換を求めるコメントも多い(写真は加工しています)
    • プロフィル欄に書かれた「オフ会」の案内(写真は加工しています)
      プロフィル欄に書かれた「オフ会」の案内(写真は加工しています)

     TikTokのコメント欄では、10代のティックトッカーの動画に対して男性らしきユーザーから「かわいいね」などのコメントが寄せられる例が多い。中には「LINEのIDを交換したい」「どこに住んでいるの」などと、個人情報を聞き出そうとするコメントも見られる。

     時には「オフ会(ユーザー同士が実際に集まること)に来る人募集中!」「行きたい!」「先日のオフ会はありがとうございました」など、直接会っていることをうかがわせるコメントも多く見かける。

    親はとにかく注意して!

     視聴するだけなら問題がないかといえば、そうでもない。TikTokには「デジタルウェルビーイング」機能が搭載されている。アプリの視聴時間を1日2時間までに制限できる機能で、親がパスコードを設定すれば、子どもの利用時間を抑制できる。

     なぜか。画面を上下にスワイプする(こする)だけで次々と新しい動画が表示される上、ノリの良い音楽と動きの動画が並ぶTikTokは、視聴に関しても「中毒性」が高いといわれているのも一因ではないか。子どもがTikTokを使っていると知ったなら、親は常に注意を払い、場合によっては利用を制限すべきだと思う。

     TikTokはあくまでSNS機能を有する動画サービスであり、使うこと自体は特に悪いわけではないと思う。ただ、利用者の大半が子どもで、その実態が大人にはわかりにくい点がネックだ。子を持つ親は、ネットの怖さを知らない子どもたちに、危険性を説明し「個人情報は公開しない」「TikTok上で『知り合った』人とは会わない」といった「約束」をしておくべきだろう。

     実はTikTokには「プライバシー設定機能」があり、「自分のアカウントが検索できるようにするか」「別のユーザーが動画をダウンロードできるようにするか」「コメントやメッセージを受け付けるか」などの設定ができる。子どもたちに、なぜそのような設定にするかについても、丁寧に説明しておく必要がある。

    プロフィル
    高橋 暁子( たかはし・あきこ
     ITジャーナリスト。書籍、雑誌、ウェブメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、学校や地方自治体・企業などでの講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。「ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち」(幻冬舎)、「Twitter広告運用ガイド」(翔泳社)ほか著作多数。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演多数。

    2018年12月03日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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