増えるDV…なぜ妻や彼女を殴ってしまうのか?

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

拡大する「暴力」の定義

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 この種の対人暴力は、身体的、心理的、感情的、言語的な暴力として定義されている。さらに、DVが子どもの前で行われれば虐待として位置づけられるようになった。面前DVという。保護すべき責任ある人が必要なケアをしないネグレクト(怠慢)も暴力とされる。暴力の範囲は徐々に拡大されてきた。

 暴力の予防や加害者対応を考えていく上で重要なことは、こうした形態や類型をもとにして暴力を把握するだけではなく、「関係性の暴力」であることの理解である。私は、社会学者であるエバン・スタークの言う「強制的なコントロール(COERCIVE CONTROL)」というアプローチを参考にしている。

 スタークは著書の中でこのように説明している。〈1〉威嚇(脅す)、〈2〉孤立させる、〈3〉コントロールする――という三つの要素を重視して、この種の対人暴力を把握している。暴力は、DVや虐待だけでなく、誘拐・監禁、ハラスメント、ストーキング、カルト集団のマインドコントロール、いじめの起こる仲間関係にも見られるという。

「強いる行為」は暴力

 この考え方をもとに、英国では、従来、心理的・感情的な暴力として定義してきたものをさらに詳細に記述した法改正がなされた。

 「重大犯罪法(SERIOUS CRIME ACT)」の2015年改正で、「家庭内虐待(DOMESTIC ABUSE)」の項目に「親密な、あるいは家族関係においてコントロールするあるいは強いる行動(CONTROLLING OR COERCIVE BEHAVIOUR IN AN INTIMATE OR FAMILY RELATIONSHIP)」の文言が追記された。

 具体的には、次のようなケースが例示されている。
 「友人や家族から孤立させる」
 「デジタルツールを用いて監視する」
 「(どこにいくか、誰と会うか、着るもの、寝る時間など)日常生活を統制する」
 「お前は価値のないやつだと繰り返して言う」
 「辱める行為、相手に自己非難を強いる」
 「プライバシーを明かすと脅す」

1

2

3

4

5

無断転載禁止
52614 0 深読み 2018/12/04 05:55:00 2018/12/04 05:55:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181129-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ