所見を盗用?先生も通知表に「うんざり」のワケ

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通知表のない学校もある

(画像はイメージ)
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 そんな膨大な労力を要する通知表であるが、実は法的には公簿(法令の規定に基づいて作成し備えておく帳簿)ではない。そのため、書式も書き方も学校の自由だ。作成の有無についても、校長の裁量に任されている。

 だから、所見欄のない通知表を使っている学校もあれば、通知表すらない学校も少数ではあるが存在している。面談などを通じ、保護者や子どもたちに学習状況や生活態度を伝えることで、通知表の代わりとしている。

 では、なぜ「学校の働き方改革」や「教師の負担軽減」が叫ばれるなか、通知表はうんざりと言われながら、作り続けられるのだろうか?

 当たり前のことだが、それぞれの子どもの努力、成果、課題を、本人、教師、保護者それぞれが情報を共有、確認するための大切なツールと考えられているからである。しかし、前述のように面談方式で行われている学校があることを考えると、もっと簡素化できるのではないだろうかとも思う。

「指導要録」と「通知表」の微妙な関係

 通知表が簡素化されない理由の一つに、一般にはあまり知られていない「指導要録」というものが大きくかかわっている。

 指導要録は学校に残す公簿なので、教師は、児童生徒一人ひとりについて、必ず作らなければならない。

 この指導要録と通知表は、内容に共通する点が多い。したがって、データとしてコンピューターに打ち込んでおけば、そのまま指導要録にも、通知表にも打ち出すことができる。

 つまり、一度の手間で二つの書類を完成させることができるから、通知表を簡素化する必要もない理屈になってくる。

 通知表のスタイルは任意だが、指導要録は学校教育法に基づいて型が決められている。おのずと通知表のあり様は指導要録の定型に強く影響を受ける傾向にある。指導要録の作成を前提に通知表が作成されていくことになる。

 作業の手順でいえば、指導要録の作成において文書表記ソフトの利用が先に行われた。通知表は指導要録と内容的にリンクするので、いつの間にか通知表作成にもそのソフトが利用されるようになった。

 一見、業務の軽減とも見えるこの指導要録のデータと通知表のデータの共有こそ、通知表の肥大化の一因となっている。そして、教師の“うんざり感”を生み出す元凶となっている。

 では、指導要録の作成過程に通知表が影響を受けることの何が問題なのか?

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55230 0 深読み 2018/12/20 07:20:00 2019/01/22 16:17:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181219-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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