「たかが自転車」…歩道の“凶器”を生む甘い認識

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 警察庁のまとめでは、2018年に発生した交通事故は43万345件と前年から減少し、死者数は過去最少となった。交通事故が減少傾向にある中、自転車が“加害者”となる事故が最近、目立っている。自転車走行の基礎知識などを学ぶ機会が少なく、“凶器”になりうるという認識が薄いことが背景にあるようだ。自転車による交通事故はどうすれば減らせるのか。自転車の正しい利用法の知識普及などを進めている「自転車の安全利用促進委員会」メンバーの遠藤まさ子さんが解説する。

生活用品ではなく、“クルマ”

画像はイメージです
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 スマホなどをしながらの片手運転、歩道通行時の歩行者妨害、酒酔い運転――。

 これらは2015年6月の改正道路交通法の施行で、自転車の「危険行為」と規定された運転の例です。この危険行為(14項目)に該当する運転を繰り返す運転者には、刑事処分とは別に安全講習の受講が義務づけられ、受講の命令後3か月以内に受講しない場合は、5万円以下の罰金が科されることになりました。運転ルールを学ぶ機会の乏しい自転車の運転者に、受講を通して正しい知識を身に付けさせ、身勝手な運転による死亡事故などを防ごうという目的で、こうした規定は整備されました。

 しかし、危険な運転はなくなっていません。

 18年6月、スマホを見ながらマウンテンバイクを運転していた大学生が歩行者の男性をはねて死亡させ、書類送検されました。17年には片耳にイヤホン、両手に飲み物とスマホを持ちながら電動アシスト自転車を運転した女子大生(当時)が、歩行中の女性に衝突して死亡させる事故が起きています。重い障害が残ったり、寝たきりになったりといった重大な結果を招く自転車事故は後を絶ちません。

(警察庁の統計資料より作成)
(警察庁の統計資料より作成)

 自転車が関わる事故の報道が目立つようになり、「自転車の事故が増えているんだなぁ」と考える人が多いかもしれません。

 実は、ピークの04年を境に自転車が絡む事故件数自体は減少傾向にあります。ただ、減少の割合が自動車同士などを含む交通事故全体に比べ、緩やかであること(17年は19.1%増に転化)、さらに対人事故が増加傾向であることなどから、相対的に目立つのかもしれません。

 自転車に衝突された歩行者や、同乗の子どもが死亡する事故が起きると、「まさか自転車でそんな大きな事故が……」と驚く人が多いことも背景にあると思います。

 「まさか自転車で」は、「たかが自転車で」とほぼ同じ意味ではないでしょうか。免許証も車検も必要なく、年齢制限もない。それゆえ、無意識のうちに「自転車はラクで手軽な生活用品の一つ」と捉えている人が多いように感じられます。

 しかし、自転車は法律上は軽車両であり、公道に出れば“クルマ”の一種として扱われます。運転者の年齢にかかわらず、周囲の安全に配慮しながら運転しなければなりません。まずは、「自転車はクルマである」という意識を全ユーザーに徹底させることが必要だと思います。

 

 

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60096 0 深読み 2019/01/08 07:00:00 2019/01/08 07:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181227-OYT8I50073-T.jpg?type=thumbnail

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