2370万円もするホンダNSXが存続する意味

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性能に加えられた「人間味」

ホンダNSX
ホンダNSX

 初代NSXは、改良を加えられながら2006年まで、16年の長きにわたり販売され、一旦は生産が中断された。そこから10年の歳月を経て、2016年に新しいNSX(17年モデル)が発表された。価格は、欧州スポーツカーと互角の2370万円だった。初代NSXのほぼ3倍だ。

 その運転感覚は初代とはまるで違っていた。アクセルを踏めば猛烈に速く、かつ高速からでもハンドルを切った通りに鋭く曲がる。性能はものすごいが、心に訴えかける感動にやや乏しい印象があった。

 それから2年を経て、マイナーチェンジが行われたのである。

 2世代目となる現在のNSXは、現代のスポーツカーにふさわしく、ハイブリッド車であり、同時に4輪駆動を採用することで、高性能をより安全に発揮。また、初代と同じように誰もが安心してハンドルを握れるスポーツカーとして登場した。

 19年モデルを運転してみると、高性能は16年の登場時のまま、たとえ市街地で運転していてもうれしさがこみあげてくるほどの感動を備えたスポーツカーとなっていた。性能や機能を成熟すると同時に、開発者たちの思いが伝わる「人間味」が加わったのである。

 2370万円という価格は決して身近ではない。だが、あえて海外のスポーツカーを選ばなくても、日本にはNSXという心に響く、誇るべきスポーツカーがあると、胸を張りたくなる乗り味であった。

将来の自動車に求められること

 NSXのこうした成長・成熟を実感すると、ホンダがNSXを存続させた意味が見えてくる。

 日本自動車工業会の資料によると、世界の自動車保有台数は2016年に13億台を突破している。そして世界のCO2排出量の15%ほどを自動車が排出しているとされる。ガソリンエンジン自動車は1886年に生まれてから130年以上を経て、十数億単位に増加したことで、気候変動の大きな要因の一つになった。

 世界人口も、ガソリンエンジン自動車が発明された19世紀末に比べて4.7倍の75億を超え、今世紀中に100億人に達すると言われている。こうした状況の中で、人々がなお快適な暮らしを続けるために、発電も含めた自動車のCO2ゼロ実現が早急に求められているのだ。

 乗用車のほとんどは稼働率が10%を下回っており、90%が駐車した状態にあるとされる。実際は動いていないことが多く、非常に稼働率の悪い移動手段だ。にもかかわらず、製造や利用でCO2を排出し続けている。この点を改善しなければならない。

 

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60589 0 深読み 2019/01/12 07:50:00 2019/01/12 07:50:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190109-OYT8I50035-T.jpg?type=thumbnail

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