寅さん”復活”秘策は?「男はつらいよ」50周年

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熱烈なファンがシリーズ化を後押し

 ドラマの最終回、寅さんは、鹿児島・奄美大島でハブにかまれて死んでしまう。すると、フジテレビには抗議の声が殺到した。寅さんが視聴者から愛されていたことを実感した山田監督は、ぜひ映画でよみがえらせたいと思ったという。所属する松竹に提案すると、案の定、「ただで見られるテレビでやったものを観客が金を払って見に来るわけがない」と即座に却下された。それでも山田監督が「失敗したら責任を取ります」と監督を辞める覚悟で食い下がると、当時の城戸四郎社長が「それほどやりたいなら、やらせてみようじゃないか」と認めてくれたという。

 寅さんを映画で復活させたのも、シリーズ化を後押ししたのも熱烈なファンの愛情だった。

新たに作られた寅さんのキャラクターデザイン
新たに作られた寅さんのキャラクターデザイン

 山田監督が大見えを切った映画第1作は、元々会社から期待されていなかったこともあって、ほとんど宣伝もされなかった。だが、69年8月27日に公開されると、各地の映画館にはどっと観客が集まった。手のひらを返すように会社の態度も変わり、すぐに続編の製作が決まって、11月15日に第2作「続・男はつらいよ」が公開された。山田監督は2本で十分だと考えていたというが、これがさらにヒットしたことから、さらなる続きの製作を命じられ、自身は脚本だけを担当することにして、第3作「男はつらいよ フーテンの寅」(70年1月15日公開)は森崎東監督、第4作「新・男はつらいよ」(同2月27日公開)はフジテレビでドラマ版を演出した小林俊一監督が撮った。

 第3、4作も好評を博したが、山田監督には違和感があったという。自らが脚本を書き、同じ俳優が同じ役を演じている。それなのに自身が望むものとは違った作品に仕上がったという感じを受けたのだ。

 山田監督は「良いとか悪いとかではなく、気持ちが片づかない」という思いで、「もう一本撮らせてください。これで幕を引きましょう」とシリーズを終了するつもりで、第5作「男はつらいよ 望郷篇」(70年8月25日公開)を作った。これで最後という思いを込めて、テレビ版でさくらと博士(映画では「博」)を演じた長山藍子さんと井川比佐志さんにも出演してもらい、北海道を舞台に自分が大好きな蒸気機関車をたっぷりと撮った。すると、この第5作がそれまで以上にヒットし、シリーズは続くことになった。

 

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