ストロー排除より確実…片手でできる海洋プラ削減

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 スターバックスやマクドナルドなど、大手外食チェーンを中心にプラスチック製ストローを廃止する動きが相次いでいる。目に見えないサイズにまで細分化されたマイクロプラスチック(MP)を、魚などの生き物が食べてしまう問題が背景にある。しかし、プラ製品の不使用が何を招くのかを正しく理解しないままだと、「ストロー排除」は単なる ()() りやモノマネで終わってしまう可能性がある。海の環境を守るために本当にやるべきことは何か。海洋プラスチック問題に詳しい九州大学応用力学研究所の磯辺篤彦教授が解説する。(聞き手 メディア局編集部 阿部明霞)

海中に広がる“見えないプラスチック”

――ポリ袋などを大量に食べたクジラやウミガメの死骸が打ち上げられ、プラスチック製品による海洋汚染への関心が高まっています。そもそもプラスチックにはどんな害があるのでしょうか。

マイクロプラスチックについて説明する磯辺教授
マイクロプラスチックについて説明する磯辺教授

 プラスチックは吸着性が高く、海を漂っている間に海中の汚染物質が表面に吸着し、汚染物質の“乗り物”となってしまうことが考えられます。そのまま生物が誤食すれば、汚染物質が体内に移ることになります。

 プラスチックそのものはほぼ無毒のため、誤食したとしてもすぐに健康を害することは考えにくいですが、栄養にもなりません。一生懸命食べてもそのエネルギーは無駄になり、生物にとって大きな負担になります。

 プラスチックを食べてしまうことで、(胃の中に一定期間、プラスチックがとどまるため)本来のエサを食べられなくなってしまうような摂食障害も考えられます。実験レベルでは生殖障害、成長障害なども報告されています。


――最近、ヒトの目に見えないほど微小なマイクロプラスチック(MP=5ミリ以下に細分化されたプラスチック)が話題になっています。磯辺教授の専門分野だそうですが、このMPは何が問題なのでしょうか。

山陰沖で採集したマイクロプラスチック(九州大学磯辺研究室提供)
山陰沖で採集したマイクロプラスチック(九州大学磯辺研究室提供)

 MPの問題点は、大きなプラスチックを食べる生物は限られますが、小さくなればどんな生物でも取り込めるというところです。しかも、どこまで小さくなるかもわからず、キャッチできていない細かいMPがいっぱいあると思います。現代社会では、プラスチックは何に使われているのか把握しきれないほど多方面に使われています。意図せず流出してしまうものもたくさんあるでしょう。

 最初にMPの話が出たのは1970年代で、海面1平方キロメートルあたり数千個のMPが浮いていたという内容の論文が出ました。

 現在の太平洋のMPの浮遊数の平均値は海面1平方キロメートルあたり10万個ですが、日本周辺では100万個と一気に1ケタはね上がります。これは、日本を含む東アジア、東南アジアで多くのプラスチックごみが出ているからです。世界のプラスチックごみの55%はここから出ています。

 少なくとも、50年代には現在のようなプラスチックは地球上にはなかったはずですから、海中のMPもゼロだったはずです。それがたった60年ほどで100万個にもなるというのは、人類史からすれば急激な伸びです。

 

 

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60570 0 深読み 2019/01/15 11:30:00 2019/01/15 11:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190111-OYT8I50084-T.jpg?type=thumbnail

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