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今さら聞けない「頻出カタカナ英語」本当の意味

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意味がよくわからないまま流している「カタカナ英語」……こっそり検索? それとも知ってるふり?(写真:Melpomene/PIXTA)

新型コロナウイルス関連のニュースのせいかもしれませんが、昨年来、あまり耳慣れないカタカナ語を聞く機会が増えましたね。「クラスター」とか「パンデミック」とか……。

こういった新しい表現は、何度も聞いているうちにだんだんと慣れてくるものの、意味がよくわからないまま流しているという方もいるのではないでしょうか。もしかしたら、知っているようで、すこし違う意味でとらえていることもあるかもしれません。

この連載の一覧はこちら

今回はそんなカタカナ表現の中からよく使用されるものをいくつかを紹介していきます。ぜひ、クイズのようなつもりで、知っているかどうかチェックしてみてください。

その語源である単語の意味や、英語圏ではどのように表現するのかについてもなかなか奥深い話がありますので、それもあわせて解説していきます。

クラスターは英語ではなんと言う?

まずはコロナ関連のニュースなどでよく出てくる「クラスター」という表現を取り上げてみましょう。きっとこの意味を知らない方はほとんどいないと思いますが、病気に関して使用するときには「一緒に病気の感染や発症をした集団」のことを指します。

厚生労働省の定義によると新型コロナウイルス感染については、「接触歴が明らかな5人程度での感染が起きた集団」のことを指すようです。50人を超えると「メガクラスター」と呼ぶとのこと。

【クラスター】 新型コロナウイルスなどの病気の感染や発症を時間的・地理的に近接して起こした5人以上の集団
【メガクラスター】 新型コロナウイルスなどの病気の感染や発症を時間的・地理的に近接して起こした50人以上の集団

英語ではclusterと書きますが、この単語自体は「同種類のものや生物・人の群れや集まり」という意味です。リーダーズ英和辞典とロングマン現代アメリカ英語辞典の定義によると、それぞれ以下のとおりです。

clus·ter/klʌ́stər/n
⦅ブドウ・サクランボ・フジの花などの⦆ふさ(bunch)〈of〉;⦅同種類のもの・人の⦆群れ、集団〈group〉、集落、クラスター
clus·ter/ˈklʌstɚ/n. [C]
1. a group of things of the same kind that are very close together(密集した同種類のものの集まり)
2. a group of people all in the same place(同じ場所にまとまっている人の集団)
3. TECHNICAL an unusually high number of events or cases of illness in the same place or at the same time(専門用語 同じ場所でまたは同時に、尋常ではないほど多く発生する事件や病気)

ロングマンの英英辞典では3つ目に病気のクラスターの定義も載っていました。病気だけじゃなくて、事件などでも使うんですね! cluster of theft crimes(窃盗事件のクラスター)なんていう感じでしょうか。

病気の「クラスター」のことは正式にはdisease clusterと言いますが、cluster of cancer cases(ガン発症のクラスター)のように後ろに病名をつければclusterだけでも伝わります。ただ、英語のニュースでは日本の報道ほど頻繁に「クラスター」という表現は使われずに、

An outbreak of 25 cases of COVID-19 has been identified at ABCD Church in Tokyo. (東京のABCD教会で25名の新型コロナウイルス感染の発生が確認されました)
10 new cases of COVID-19 have been tied to XYZ hospital in Osaka. (新たに10名の新型コロナウイルス感染が大阪のXYZ病院に関連することがわかりました)
Japan reported 10,000 new COVID-19 cases as of 7:00 p.m. on Friday. (日本では金曜日、午後7時時点で新たに1万人の新型コロナウイルス感染が報告されました)

のような文で表現されることが多いです。具体的に「○○件」と表現はするものの、それをわざわざ「クラスター」と言及することはあまりないようですね。

3つセットで覚えておこう

例文の1つに出ているoutbreakという単語はカタカナでも「アウトブレイク」と使われることもありますので、これも確認しておきましょう。これは「特定の集団内や地域で感染爆発が起こること」を表します。さらに、その「特定の場所や地域を越えて、たくさんの人に感染が広がること」をepidemic(エピデミック)、「感染が世界の広範囲に広がること」をpandemic(パンデミック)と言います。

【アウトブレイク】 特定の集団や地域における疫病の感染が発生すること
【エピデミック】 特定の集団や地域を越えて多くの人に疫病の感染が広がること
【パンデミック】 世界の広範囲で疫病の感染が広がること

3つをセットで覚えておくといいでしょう。これは英語でも日本語でも共通です。

「今回の大幅な人事異動に伴って、各部署でハレーションが起きている」のように「ハレーション」という単語をビジネスのシーンで耳にすることがありますが、実は和製英語だというのはご存じでしたか。もともとは写真に使われる単語で、そちらの意味では英語でも日本語でも共通です。リーダーズ英和辞典では以下のように定義されています。

ha·la·tion/heɪléɪʃ(ə)n,hæléɪʃ(ə)n,həléɪʃ(ə)n/n
⦅写⦆ハレーション⦅強い〔多量の〕の光がフィルム裏面で反射され乳剤面に逆戻りして生ずるにじみ⦆;⦅テレビ⦆ハレーション⦅テレビの画面の明るいスポットの周囲に時々現れる光の輪⦆

/heɪléɪʃ(ə)n/(ヘイレイシュン)、/hæléɪʃ(ə)n/(ヒャレイシュン)、/həléɪʃ(ə)n/(フレイシュン)と最初の音節に3とおりの発音が紹介されていますが、最後のhə(フ)という「あいまい母音」の発音が一般的です。

日本では「強い光によって写真が白くぼやけてしまう」というもともとの意味から派生して、「望まない悪影響を与えること」を「ハレーション」と言うようになったのだと思いますが、個人的にはどうしてこの表現がそんな意味に発展したのかちょっとピンと来ないですね……。

【ハレーション】 周囲に及ぼす悪影響や人間関係の摩擦のこと

こちらの意味の「ハレーション」は日本語特有の用法ですので、英語では通じませんので注意しましょう。こちらの用法を英語にするのであれば、a negative impact(悪影響)やconflict(争い・利害などの衝突)などの単語を使うといいでしょう。例文を書いておきますので、参考にしてください。

The unrealistic expectations from Mr. Williams are causing conflict within the department. (ウィリアムズ部長の非現実的な要求が部署内にハレーションを生んでいる)
Katy’s abusive leadership had a negative impact on the organization. (ケイティの横暴なリーダーシップが組織にハレーションを引き起こした)

くれぐれも「ハレーション」は起こさずに仕事をしていきたいものですね。「ハレーション人材」なんて呼ばれたくありませんしね……。

サスティナブルは間違い

それから最近とみに見聞きするのが「サステナブル」という単語。これは「地球環境を維持しながら生活や経済を発展させるような」という意味で使われています。

【サステナブル】 地球環境を維持できるような、持続可能な

英語ではsustainableと書き、「持続可能な」「資源を維持できるような」という意味を表します。リーダーズ英和辞典とロングマン現代アメリカ英語辞典を見てみると、

sustáin·able a
1 支持できる、支えられる;維持できる;持続できる;持ちこたえられる
2 〈開発・農業などが〉資源を維持できる方法の、持続可能な;〈社会などが〉持続可能な方法を採用する生活様式の
sus·tain·a·ble /səˈsteɪnəbəl/ adj.
an action or process that is sustainable can continue or last for a long time: sustainable economic growth (「サステナブルな」行動や手段と言ったら、長期間にわたって持続することができるという意味:持続可能な経済発展)

のように書かれています。英語の発音は/səˈsteɪnəbəl/(スステイヌボー)なので、本当は「サステイナブル」と言ってほしいところですが、日本語では「サステナブル」とよく発音されます。

まれに「テ」の部分を「ティ」と発音して、「サスティナブル」と言う方もいますが、実はこれは英語としては間違いですので注意しましょう。ちなみに、sustainabilityと名詞にしたときも、発音は/səˌsteɪnəˈbɪləti/(スステイヌビリティ)なので、「サスティナビリティ」ではなく、「サステナビリティ」と覚えてください。

この「サステナブル」という単語と切り離すことができないのがSDGs(エス・ディー・ジーズ)。これはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、2015年9月の国連サミットで採択された目標です。加盟国193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げたもので、17の目標が含まれています。

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
1. No Poverty(貧困をなくす)
2. Zero Hunger(飢餓をゼロに)
3. Good Health and Well-being(すべての人に健康と福祉を)
4. Quality Education(質の高い教育をみんなに)
5. Gender Equality(ジェンダー平等を実現しよう)
6. Clean Water and Sanitation(安全な水とトイレを世界中に)
7. Affordable and Clean Energy(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)
8. Decent Work and Economic Growth(働きがいも経済成長も)
9. Industry, Innovation and Infrastructure(産業と技術革新の基盤をつくろう)
10. Reduced Inequalities(人や国の不平等をなくそう)
11. Sustainable Cities and Communities(住み続けられるまちづくりを)
12. Responsible Consumption and Production(つくる責任つかう責任)
13. Climate Action(気候変動に具体的な対策を)
14. Life Below Water(海の豊かさを守ろう)
15. Life on Land(陸の豊かさも守ろう)
16. Peace, Justice and Strong Institutions(平和と公正をすべての人に)
17. Partnerships for the Goals(パートナーシップで目標を達成しよう)

それぞれの目標は、さらに細分化されて169のターゲットが設定されています。スーパーやコンビニでのビニール袋の有料化や、学校で「○○くん」「○○ちゃん」という呼び名を、性別にかかわらず「○○さん」に統一するなど、身近でもSDGsを意識した動きが多く見られていますよね。これからの10年間はこうした点が生活や仕事をするうえで1つの基準になりそうですね。

野窓ワーカーって……

皆さんは「ノマドワーカー」や「ノマドワーク」ということばを聞いたことはありますか。「オフィスの外に出て自由にカフェなどで仕事をする人」やそのような働き方のことを指すのですが、筆者の友人は漢字で「野窓(のまど)」と書き、それは「野良Windows(窓)」の略だと思い込んでいたのだとか。そして「外でPCWindows)を使って仕事をすること」と理解していたらしいのです。

urban legend(都市伝説)と呼ぶには初耳すぎて笑ってしまったのですが、意味的にはほぼ正しいところが厄介ですね(笑)。

【ノマドワーカー】 PCやタブレットなどのIT端末とインターネット回線を利用して、オフィスではないカフェや図書館など好きな場所を転々としながら仕事をする人

この「ノマド」、語源は英語のnomadで、元来は「遊牧民」「放浪者」という意味。辞書で定義を見てみましょう。

no·mad, no·made/nóʊmæ̀d/n
⦅食物や牧草地を求めて住居を移動しながら生活する⦆遊動民、遊牧民、ノーマッド;放浪者
no·mad/ˈnoʊmæd/n.[C]
1. a member of a tribe that travels from place to place, especially to find fields for their animals: the desert nomads(さまざまな場所へ移動を続ける民族のひとり、特に家畜のための牧草地を求めて移動する): 砂漠の遊牧民
2. someone who often travels from place to place or who changes jobs, homes etc. often(頻繁に場所を移動したり、よく仕事や住居を変える人)

カタカナでは「ノマド」と表記されますが、英語の発音は/ˈnoʊmæd/(ノウミャッドゥ)ですので、「ノウマッド」と表記するほうがより英語の音に近くなります。この「ノマドワーカー」、英語ではnomad workerではなく、一般的にはdigital nomadと言いますので覚えておいてください。

This café has a strong internet connection, so it’s become a work hub for digital nomads. (このカフェはネット接続がいいので、ノマドワーカーの仕事場の拠点になっています)

ノマドワーク、テレワーク、リモートワークの違いは?

純粋に言葉だけの定義の話をすると、「ノマドワーク」「テレワーク」「リモートワーク」の3つにはそれほど大きな違いはないのですが、人によって異なる定義で使うことが多いようです。一概に決めつけることはできないのですが、傾向としてどのような用法があるのかを紹介しますので、参考にしてください。

「ノマドワーク」はフリーランスで仕事をする人を指すことが多いようです。言葉自体にはそのような定義はないのですが、雇用形態も含めてフリーな「遊牧民」のようなイメージなのかもしれません。「テレワーク」というと、オフィスでの勤務にとらわれない働き方というイメージで、政府の方針や制度というイメージがあります。

日本テレワーク協会の定義によると「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」のことのようで、広義には時間にもとらわれない働き方ということもできるかもしれません。一般的にはそこまでのイメージはないものの、公的なところで多く使用される表現のように感じます。「リモートワーク」は純粋にオフィスの外で仕事をすることを指している印象で、民間企業で一般的に使用されています。

「在宅勤務」と明確に言いたいときは

英語でも、digital nomadsteleworkersremote workersの定義は人によってさまざまなようです。ただし、digital nomadsには場所を自由にできるイメージがあります。オフィスではない自分の好きな場所で仕事をするというニュアンスや、世界を旅しながら仕事をしているなど生活の場所も含めて流動的なニュアンスを含むことが多いようです。

teleworkersというと在宅勤務のイメージ。通常はオフィスで仕事をしながら週に数日は在宅勤務をするというときなどに当てはまると言う人もいます。remote workersはメインオフィス勤務ではない人を指すイメージのようで、つねに在宅勤務をする人を指すこともあれば、サテライトオフィスで勤務している人を指すこともあるようです。オフィスから離れた場所が、その人の仕事場であるという感じでしょうか。

ただ、日本語でも英語でも、使用している人によってその定義がまちまちなので、どのような意味で言っているのかは確認したほうが無難かもしれませんね。また雇用形態を問わず、英語で「在宅勤務」と明確に言いたいときにはwork from homeという表現をよく使うので、ぜひ覚えておいてください。

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、働き方の多様化が一気に進んだ今日このごろ。オフィス勤務と在宅勤務どちらにもそれぞれのメリットがあるので、筆者は半々くらいにできると心理的にも生産性的にも理想的かなと思っているのですが、ノマドワークは個人的には向かなそうです。

Do you prefer working from home or in the office? (皆さんは在宅勤務とオフィス勤務、どちらのほうがお好みですか) Or do you want to be a digital nomad? (それとも、ノマドワーカー派ですか)

無断転載・複製を禁じます
1794326 0 東洋経済オンライン 2021/01/28 06:18:02 2021/02/09 19:05:03 2021/02/09 19:05:03

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