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英語になると「感じが悪い人」に教えたい”言い方”

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Why?とHow come?という表現はどう違うのでしょうか? (写真:alphaspirit/iStock)

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、昨年から英会話のレッスンやセミナーをオンラインで実施することが増えてきました。数をこなしていくと教えるほうも慣れてはきますが、生徒のほうもオンラインでの受講に抵抗がなくなってきたようで、リラックスして参加される方が増えてきた気がします。飲み物片手に参加する方もいれば、寝そべって参加する方、部屋着のまま参加する方なども。皆さん受講スタイルはさまざまですが、リラックスしていると会話が盛り上がって、なんともいい雰囲気です。

先日、セミナーに参加いただいたタロウさんからHow come?という表現について質問を受けました。Why?とどう違うのか気になったとのこと。今回はそのときタロウさんにした説明を紹介いたします。ネイティブも会話で頻発する表現ですので、ぜひこの機会にマスターして使ってみてください。

whyで尋ねると詰問に聞こえるかも?

タロウさんは最近、単語力アップを目指して単語集で勉強しているそうです。その単語集に口語表現のコーナーがあって、そこでhow comeを覚えたのだとか。「理由を尋ねるというのはわかったんですけど、whyと同じように使っていいんですか」と聞かれました。

この連載の一覧はこちら

さて、whyとhow comeのふたつ、確かにどちらも「なぜ?」という意味で、理由を尋ねるときの疑問表現なのですが、どんな違いがあるのか見ていきましょう。

まずはwhyのほうから説明します。こちらはフォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用できますし、書き言葉でも話し言葉でも使用できる表現です。基本的に「なぜ?」と聞きたいときにはwhyを使用すれば問題ありません。ただ、日本語と同様ですが、「なんで~なの?」と聞くと、やや詰問調に聞こえてしまうことがあります。もちろん、その大部分はどんなトーンで言うのかによります。本当に理由を尋ねたいときには、できるだけ口調がきつくならないように意識しましょう。

Why were you late this morning?
=(今朝遅刻したのは、なぜですか)*単に理由を求めている
=(今朝、なんで遅刻したんだよ)*遅刻したことを責めている

たとえば、Why were you late this morning?の場合、純粋に遅刻の理由を聞くときにも使用しますが、トーンや、聞き手の感じ方によっては「なんで遅刻したの!」と責めているようにも聞こえる可能性があります。

相手のコメントに対してWhy?とひと言で聞き返すときにも、トーンには注意しましょう。

A: I love horror movies. (ホラー映画、大好き)
B: Why?
=(〔好きなのは〕なぜ?)*単に理由を求めている
=(なんで〔あんなのが好きなの〕?)*ホラー映画が好きなことに嫌悪感を示している

「ホラー映画が好きなんだ」と言う相手にWhy?と聞いた場合、単にホラー映画が好きな理由を尋ねている感じにも、「なんでホラー映画なんて好きなの?」と嫌悪感を示しているようにもなりえます。トーンに気をつけることは大切ですが、普通に尋ねているつもりでも、ネガティブな意味で受け止められる可能性があることは覚えておきましょう。

ふだんの会話に便利なhow come

この説明のあと、タロウさんは「日本語の感じと一緒ですね。『なんで?』って聞かれると、責められてる感じがするのわかります」と感想を言いながら、「でも、責めているのではなく、理由を聞きたいことを誤解なく伝えたいときにはどうすればいいんですか」と聞いてきました。筆者が答えようとすると、何か気づいた様子で「あ、how comeですか?」とタロウさん。

そうなんです。そんなときに便利なのがhow comeです。これはHow comes it that……?やHow does it come that……?(どのようにして~ということになったの?)という昔に使われていた表現が省略されてできたものだと言われています。how comeの語源となったこれらの疑問文を見ると、how comeが「どういった経緯でそういうことになったのか」を尋ねているニュアンスなのだとわかりますね。

Why?と聞かれると、理由を直接的に追求しようとしている感じがしてしまいますが、How come?だと優しい響きで、聞き手もそこまで身構えずに受け止められます。How come?は、カジュアルな表現なので、親しみやすい響きなのもその一因でしょう。反面、フォーマルな場面にはふさわしくない表現なので注意しましょう。

A: I love horror movies. (ホラー映画、大好き)
B: How come? (〔へえ、〕どうして〔好きになったの〕?)

「ホラー映画が好きなんだ」と言う相手にもHow come?と聞けば、否定的な感じはなく理由を尋ねることができます。友達や同僚とのカジュアルなやりとりでは、whyのかわりにhow comeを使うといいでしょう。

また、how comeには意外性を表すニュアンスもあります。想定外のことに対して「どうして~なの?」と尋ねるときや自問自答のときなどにも便利ですね。

How come you know that? (どうして、知ってんの?)
How come I like him so much? (私、どうしてあの人のこと、こんなに好きなのかしら?)

ただし、先述のようにフォーマルな場面にはふさわしくありませんので、フォーマルな場面でこちらが責めているという誤解をされるのを避けたいときには、極力whyを使わないようにするといいでしょう。もちろん、通常のやりとりの際には、そこまで神経質に「whyは使ってはいけないんだ!」と思う必要はありませんが。そのほか、whyの言い換えとしては、

Why do you think so? (なんでそんなふうに思うんですか)
What made you think so? (何がそのように思わせるんですか)

Why didn’t you attend the meeting? (なんで会議に来なかったんですか)
What happened? You didn’t attend the meeting. (どうしたんですか。会議に来なかったですね)

Why are you upset? (なんで怒ってるんですか)
Is everything OK? You look upset. (怒っているみたいだけど、大丈夫ですか)

などがあります。ただ、どんなふうに質問を変えればいいのか思いつかないときは

Why did you send this email to John? (なんでジョンにこんなメールしたんですか)
Can you tell me why you sent this email to John? (ジョンにこのメールを送った理由を教えてもらえますか)

のように、間接疑問にするだけでも、感情的な印象が薄れるのでお勧めです。

文法的に見るwhyとhow come

チャットで例文をタイプしながらタロウさんに説明していると、「先生、文が間違ってますよ」と指摘されました。何かスペルミスでもしたのかと思って聞くと、「how comeの文が疑問文になっていないですよ」とのこと。

実はhow come疑問文は、why疑問文とは語順が異なるんです。how comeのあとは、why疑問文のように「動詞+主語」と倒置をせずに、「主語+動詞」と平叙文の語順で続けるルールになっています。さきほど、how comeはHow comes it that……?やHow does it come that……?が語源だと言いましたが、これらのthatに続く節だと思うと、倒置が起きないことが納得できると思います。

○ Why were you late this morning? (今朝、なんで遅刻したんだよ)
○ Why do you think so? (なんでそんなふうに思うんだ)
 → Why+動詞+主語 ~?

× How come were you late this morning? (どうして、今朝遅刻しちゃったの?)
× How come do you think so? (そう思うのはどうして?)
 → ○ How come you were late this morning?
 → ○ How come you think so?
  → How come+主語+動詞 ~?

否定疑問文になると、こんな感じです。

Why isn’t John here? (なんでジョンがいないのよ)
Why didn’t you tell me? (なんで言ってくれなかったんだよ)
 → Why+動詞(否定の短縮形)+主語 ~?
How come John isn’t here? (ジョンはどうしていないの?)
How come you didn’t tell me? (教えてくれなかったのはどうして?)
 → How come+主語+動詞(否定の短縮形)~?

ちなみに、why疑問文のほうは否定の短縮形を使わないときには、notを主語のあとに置きます。口語ではあまり使用しない形ですが、こちらのほうが短縮形を使うよりもフォーマルな響きになります。

Why is John not here? (なぜジョンはいないのでしょうか)
Why did you not tell me? (なぜ私に教えてくださらなかったのですか)
 → Why+動詞+主語+not ~?

それから、相手のコメントに対して、Why?やHow come?とひと言で聞き返すときの注意ですが、相手の文が否定文のときはWhy?ではなくWhy not?とするのを忘れないようにしましょう。

A: I don’t like beer. (ビールは好きじゃないんです)
B: Why not? (なぜですか?)
A: I don’t drink wine. (ワインは飲まないんだ)
B: How come? (どうして?)

how comeは、肯定文でも否定文でも同じように使って構いません。

否定疑問文と混同しないように注意が必要ですが、Why don’t you……?(~すれば?)やWhy don’t we……?(~しない?)という提案や勧誘の用法もあるので覚えておきましょう。口語表現として、how comeと併せて使いこなせると便利ですね。

提案や勧誘の用法
Why don’t you come over? (うちに来れば?)
Why don’t we go to the movies tonight? (今夜、映画に行かない?)
通常の否定疑問文
Why don’t you like green peppers? (なんでピーマン好きじゃないの?)
Why don’t we eat raw chicken? (なぜ生の鶏肉は食べないのでしょうか)

「ホワイ?」それとも「ワイ?」

せっかくなので、例文を音読練習しようと、タロウさんにリピートするようにお願いするとwhyの発音が気になりました。筆者が「ワイ」と読んでも、タロウさんは「ホワイ」と言うのです。皆さんはwhyと言うときには、「ワイ」と発音しますか、それとも「ホワイ(ファイ)」と発音しますか。

実はこの発音、どちらも正解なのですが、現代ではネイティブの多くが「ワイ」と発音します。つまりwhyとYを同じように発音するということです。古い英語では、whyという単語はhwy(マクロンつきy)やhwīというスペルだったのですが、それを知ると「ホワイ」という発音も納得ですよね。どうしてスペルがhwからwhに変わってしまったのかはわかりませんが、この「フウォ/hw/」という音は、もともとは「フォ/ʍ/」という音だったそうです。この「フォ/ʍ/」はWの音「ウォ/w/(有声音)」が無声音になった音なんです。/w/と/ʍ/の関係は、Bの音「ブ/b/(有声音)」とPの音「プ/p/(無声音)」の関係と同じです。

有声音と無声音がよくわからないという方は、喉ぼとけに手を当てながら、bigとpigをそれぞれ発音してください。「ブ/b/」のときは声帯が震えていますが、「プ/p/」のときには震えていないですよね。同じ要領で「ウォ/w/」と「フォ/ʍ/」を比べてみてください。ちなみに「フウォ/hw/」と発音すると有声音になってしまいますので、声帯が震えなくなるまで、「フウォ/hw/」から「フォ/ʍ/」という音に近づけていってみてください。

英語ではWine-Whine Merger(WineとWhineの同化)と言いますが、有声音/w/と無声音/ʍ/が、どちらも有声音/w/として発音されるようになるという変化が起きたんです。つまり昔は、wineは「ワイン」、whineは「ホワ(ファ)イン」と言われていたのですが、現在はどちらも「ワイン」と発音されているということです。でも、一部のネイティブ、たとえばスコットランドとアイルランド、アメリカの南東部の人たちやニュージーランドの年配の方々は、いまでもふたつを区別して発音しているそうです。皆さんの近くにいるネイティブの方はどうですか。

タロウさんは中学生のときにwhは「フウォ/hw/」という音で習ったそうで、それ以来ずっと「ホワイ」と言っているとのこと。興味深そうに「『ホワイ、ワイ(why)』、『フエア、ウエア(where)』、『ホワット、ワット(what)』」と練習していました。すると、突然に「先生、whoはなんで『ウー/wu/』にならないんですか」と鋭い質問。

このWine-Whine Merger、おもしろいことに無声音/ʍ/のあとに、口を丸めて発音する母音/u/や/o/が続くときには、/w/にならずに/h/に変化したらしいのです。なのでwhoは「ウー/wu/」ではなく「フー/hu/」と発音するんです。ほかにも、wholeは「ウォウル/woʊl/」ではなく「ホウル/hoʊl/」になっていますよね。おなじwhのスペルなのに、whyとwhoで発音が異なるのは母音の違いのせいなんです。

「へえ」と言いながら、「フー、フ―、フー」と何度も繰り返しながら首を傾げるタロウさん。どうしたのか尋ねると、「『フー/hu/』の発音はできるけど、元々のwhの発音ができない」とのこと。なるほど、/ʍu/と言おうとしてたんですね。

筆者も/ʍu/を発音しようと試みたのですが、確かに言いづらい……。うまくカタカナで表現できないのですが「ヒゥー/ʍu/」って感じですかね? 皆さんは発音できますか。

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