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    戦力分析

    【箱根駅伝出場21チーム紹介〈15〉】早大、2年生・太田が2区抜擢!?陸上一家のエリート

    • 活躍が期待される早大・太田(右)と安井は、Vサインで「W」の文字をつくる(カメラ・頓所 美代子)(スポーツ報知)
      活躍が期待される早大・太田(右)と安井は、Vサインで「W」の文字をつくる(カメラ・頓所 美代子)(スポーツ報知)
    • (スポーツ報知)
      (スポーツ報知)

     ◆早大 前回3位(42年連続87回目)=出雲9位、全日本7位=

     伝統校の早大が23日、埼玉・所沢市のキャンパス内陸上競技場で練習を公開した。今季の学生駅伝では苦戦が続くが、相楽豊監督(37)は「総合優勝という目標は変えません」と確固たる決意を明かした。前回8区で、優勝した青学大に決定的な差をつけられた太田智樹(2年)は悔しさをバネに今季、急成長。1区あるいは2区のエース区間でリベンジを期す。

     前回の屈辱を、太田は忘れたことはない。7区で青学大の田村和希(当時3年)が体調不良のため失速。8区を担った早大期待の新人は1分21秒差で平塚中継所をスタートしたが、戸塚中継所にたどり着いた時、その差は5分32秒に広がっていた。歴代3位の好記録で走破した青学大・下田裕太(同3年)に対し、区間14位と苦戦。事実上、早大Vの可能性は、ここで消えた。

     「僕に力がなかっただけです」と険しい表情で振り返る。言葉が少ない太田に代わり、運営管理車で見守っていた相楽監督が当時の状況を改めて説明した。

     「序盤の海岸線ではトップが見えていたが、走れば走るほど差が開き、見えなくなった。チームのだれも1年生に責任を負わせることはなかったが、太田自身は『僕のせいです』と泣いていました」

     敗戦のショックは大きく、レース後の帰省期間中に体調を崩し、1月10日の新チーム集合に間に合わなかった。しかし、そのまま終わらなかった。2年生となった今季、チーム一の成長曲線を描いた。9月の日本学生対校1万メートルでは7位。11月の全日本大学駅伝では1区3位と好走した。「箱根では1~3区を任せたい。エース区間の2区もありえる」と相楽監督。「どの区間も準備ができています」と太田は指揮官の信頼と期待を正面から受け止める。

     父・善之さんは92年大会に中大6区を務め、区間4位と力走した。中大4年の姉・優紀は10月の全日本大学女子駅伝に出場。浜松日体高3年の弟・直希は24日の全国高校駅伝でエースが集う1区に出場予定で来春には早大に入学見込み。陸上一家に育った太田は「父に『中大に行ってほしい』とか言われたことは全くない。自由にやらせてもらっています」と冷静に話す。

     クールな20歳は短い言葉で強い決意を示す。「あの悔しさがあるからこそ、今がある」。箱根路でリベンジする日が迫ってきた。(竹内 達朗)

    ◆戦力分析

     順番は未定だが、1~3区に太田やスピード自慢の新迫、1万メートルの持ちタイムが28分25秒85でチーム一の永山を配置予定。過去2年で5区を務め5位、4位と好走した主将・安井は今大会の区間賞候補だ。序盤で流れに乗り、安井で勝負するのが理想の展開。4年生全6人がメンバー入りし、チームの雰囲気はいい。安井は「4年の僕らが頑張らないと。総合優勝するには往路優勝が絶対条件。自分のところで決定づけたい」と責任感をにじませた。

     出雲は9位。途中棄権した法大を除けば、関東から出場した10校の中で最下位。全日本は7位で6位以内に与えられるシード権を逃した。今季は苦戦続きだが、相楽監督は「早稲田らしい粘り強い走りで総合優勝を目指す」と意気込む。指揮官の狙い通りなら、中大と並ぶ最多14度目の総合Vとなる。

     ◆太田 智樹(おおた・ともき)1997年10月17日、浜松市生まれ。20歳。浜名中入学と同時に陸上を始める。3年時に全国大会3000メートル優勝。浜松日体高3年時に全国高校総体5000メートル6位(日本人3位)。2016年、早大スポーツ科学部入学。意識する選手は先輩の永山博基(3年)。175センチ、58キロ。

     ◆早大 1914年創部。箱根駅伝は20年の第1回大会から出場。優勝13回。出雲駅伝は優勝2回。全日本大学駅伝は優勝5回。2010年度には学生駅伝3冠を達成した。タスキの色はえんじ。長距離部員は選手33人、学生スタッフ14人。主な競走部OBは28年アムステルダム五輪男子三段跳び金メダルの織田幹雄氏、日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダーら。

    (スポーツ報知)

    2017年12月24日 12時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun