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    3強明暗…東海、神大が青学に及ばなかった背景

     第94回箱根駅伝は、青山学院大の4連覇で幕を閉じた。昨年10月の出雲駅伝を制した東海大は5位、同11月の全日本大学駅伝を制した神奈川大は13位に沈んだ。東海大の 両角 ( もろずみ ) ( はやし ) 監督、神大の 大後 ( だいご ) 栄治 ( えいじ ) 監督はともに、「箱根は別もの」と気を引き締めてはいたが、結果は完敗に終わった。3強と言われながら、この2校が青学に及ばなかった理由はどこにあるのだろうか。(読売新聞編集委員・三宅宏)

    東海大はスピード重視で臨んでいた

    • 8区2位の成績で9区の湊谷(右)にたすきを渡す東海大の館沢(2018年1月3日、樋口貴仁撮影)
      8区2位の成績で9区の湊谷(右)にたすきを渡す東海大の館沢(2018年1月3日、樋口貴仁撮影)

     東海大にとっては、箱根駅伝が唯一無二の最大目標でないことが大きい。

     両角監督は、部の方針として「スピード重視」を掲げている。区間距離が20キロを超える持久力勝負の箱根駅伝を戦ううえで、こんな方針を声高に叫ぶ監督はいない。

     なぜ、スピードを求めるのか。

     それは、選手の成長を長い目で見ているからだ。20歳前後できちんとスピードを身に付ければ、卒業後も競技を長く続けていけるという信念がある。

     トラックで重ねたスピード練習は着実に実を結びつつある。一例を挙げると、今回8区2位の館沢亨次は、昨年の日本選手権男子1500メートルで優勝している。

     「トラックを重視したいので、箱根に対してやりたいことも、ちょっと目をつぶっている部分もある」

     両角監督ははっきり認める。

     たとえば、箱根を目指す学校では当たり前の「30キロ走」を、東海大は必須メニューに取り込んでいない。前出の館沢は「僕は30キロを走ったことがない」と言い切った。

     こうしたスピード重視の方針が箱根でどこまで通用するかが、東海大のカギだった。

     今回は1万メートル上位10人のタイムは参加校で一番。スピードに磨きをかけて臨んだレースだったが、思い通りにはいかなかった。館沢のほか、6区の中島怜利も区間2位と健闘したが、6区、8区とも、区間1位には青学大の選手がいた。王者の壁は厚かった。

     では、来年以降、東海大はどう戦うのか。

     「スピード重視は変えない。東海大の魅力として残していかないと。高校生が何に魅力を感じるかといった時に、取り組み方が違うということを魅力にしていかないといけない」

     両角監督は1月3日のレース終了後に明言した。実際、この方針に引かれて入部してくる高校生もおり、両角監督は「期待を裏切るわけにはいかない」とも加えた。

     現役の選手も、スピード重視に異論はないようだ。

     中距離が主舞台の館沢は1500メートルで2020年東京五輪の出場を目指しており、「僕が区間2位になったことで(スピード重視の有効性は)証明できた。方針はぶれてほしくはない」と力を込めた。

     両角監督は「箱根駅伝だけがすべてじゃない」と言いながらも、「(周囲から)圧倒的に期待されているのは箱根駅伝」とも認めている。

     では、青学大に勝って優勝するには?

     「速さプラス強さ、ということになってくると思う。スピードを失わずに、強さを身に付けたい。記録会で記録を出せるだけでなく、選手権の勝負とかで勝ちきれば、強さというものが出てくると思う」

    2018年01月05日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun