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    1、2年生快走で往路優勝…来季が楽しみな東洋大

     第94回箱根駅伝で4連覇を達成した青山学院大に劣らず注目を集めたのが、4年ぶりの往路優勝を果たした東洋大だった。大会前は青学大、東海大、神奈川大が「3強」と目され、東洋大の下馬評は決して高くなかったが、出場メンバー10人中7人を1、2年生が占めた若いチームが躍進した。その背景を追った。(読売新聞運動部・西口大地)

    「力が同じなら下級生を使う」

    • 往路優勝して、表彰式で笑顔を見せる(左から)東洋大の酒井監督、1区の西山、2区の相沢、3区の山本、5区の田中(2018年1月2日、冨田大介撮影)
      往路優勝して、表彰式で笑顔を見せる(左から)東洋大の酒井監督、1区の西山、2区の相沢、3区の山本、5区の田中(2018年1月2日、冨田大介撮影)

     昨年12月11日に白山キャンパス(東京都文京区)で行われた学内壮行会。壇上に居並ぶエントリー選手16人中、1、2年生が12人を占めた。

     「聞いたことがない選手も多いと思いますが、私は必ずこの中からヒーローが出ると思っています」

     駆けつけた学生や駅伝ファンに向かって酒井俊幸監督が発した言葉は、まさしく現実となった。

     1区では、西山和弥(1年)が終盤18キロからの強気なスパートで後続を引き離し、1年生では2011年の早大・大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)以来となる1区区間賞を獲得。各校エースが集う「花の2区」は、相沢晃(2年)が区間賞にあと3秒に迫る1時間7分18秒の区間3位と快走、22秒差で首位を守った。

     3区では山本修二(3年)が青学大・田村和希(4年)とのエース対決を制し、区間賞で2位・青学大との差を46秒に拡大。続く4区の吉川洋次(1年)が区間2位で2分3秒差まで広げると、3大駅伝デビュー戦となる5区の田中龍誠(1年)も区間9位と健闘、青学大の猛追を振り切った。

     往路に1年生3人を投入する大胆采配の伏線は、10月の出雲駅伝から張られていた。

     今季は4年生の故障や不振が続いたことを受けて、酒井監督は選手に「力が同じなら、下級生を使う」と明言。出雲では全6区間のうち、大半を大学駅伝経験が少ないか初出場の選手で臨んだ。ただ、その時は、緊張や気負いから本来の力を出せず5位に終わった。

     だが、続く11月の全日本大学駅伝では、順位こそ同じ5位だったものの、出雲で苦しんだメンバーがいずれも好走。「出雲、全日本を含めて、箱根のシミュレーションでやっていたつもり」という指揮官の狙い通り、西山と吉川が好走したことで、箱根の主要区間起用にめどがついた。

     出雲の1区ではレース中盤で先頭集団の前に出て終盤に失速した西山は、箱根では集団の中でじっくり力をためたことが鋭いスパートに結びついた。「出雲の時の失敗が生かせた」と西山。何物にも代え難い駅伝での経験値が、若手の躍進を促した格好だ。

    2018年01月06日 11時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun