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    95回予選会

    山登り失速の悪夢に打ち勝ち3位に貢献~神奈川大・荻野大成

     13日に行われた箱根駅伝の予選会で、神奈川大は強豪の底力を発揮し、3位で本大会出場権を確保した。10人中7人が2桁順位に入る安定したレース運び。大後栄治監督は「3月に昨年の4年生たちが卒業した後、危機感を持ってやってくれた」と、教え子たちをねぎらった。

     3年の荻野大成=写真=は、個人78位でゴールした。「チームのプランとして、僕は第2集団に入って仲間を引っ張る役割だった。チーム内6位は悔しいけど、最低限の貢献はできた」と振り返った。

     今年の正月。神奈川大は、全日本大学駅伝優勝の実績をひっさげ、優勝候補の一角として箱根駅伝に臨んだ。その大勝負で、荻野は往路を締めくくる山登りの5区を任された。大後監督からは「区間1桁くらい」を期待されていたが、悪夢が待ち受けていた。

     「緊張とプレッシャーで、力を出せなかった」といい、区間最下位に沈む大ブレーキ。中継所でタスキを受けた時点では3位だった順位を、一気に15位まで下げてしまった。この遅れを、チームは復路でも挽回しきれず、13位でシード権を逃した。

     「あれからしばらく、練習に身が入らなかった。走りたくないなという思いしか、頭になかった」。陸上人生で最大のショックに苦しんだ。

     少し無理して福岡県でのクロスカントリー大会に出場してから、少しずつ走る喜びを思い出した。「くよくよしても仕方ないな」と、春先には開き直り、再び目的意識を持って練習に取り組めるようになった。復調して迎えた関東インカレの3000メートル障害では3連覇を達成した。「あの苦しみからはい上がって、いろいろな経験を積めた。その力をきっちり出そう」と、前向きな気持ちで迎えたこの日の予選会だった。

     1997、98年には箱根駅伝連覇も達成しているチームにとって、出場権獲得は、もちろんゴールではない。「正月は、チーム内での役目を果たして、シード権を獲得したい。力をきちんと発揮できれば、結果はついてくる」とキッパリ。もう重圧には負けない自信がある。ただ、こう付け加えて笑った。

     「正直言うと、走るのは5区じゃない方がいいです」

    2018年10月13日 14時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun