【箱根への道】期待かかる明大72年ぶりのV “レジェンド”も「見たい」

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戦後の大学駅伝界をリードした明大メンバー。夏苅さん(前列中央)は優勝した49年箱根駅伝で田中久夫さん(後列左から2人目)からタスキを受けた(スポーツ報知)
戦後の大学駅伝界をリードした明大メンバー。夏苅さん(前列中央)は優勝した49年箱根駅伝で田中久夫さん(後列左から2人目)からタスキを受けた(スポーツ報知)
(スポーツ報知)
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 (スポーツ報知)古豪・明大の完全復活がいよいよ近づいてきた。全日本大学駅伝(1日、名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)では終盤までトップ争いを演じ、3位。箱根駅伝では前回6位だったメンバー8人が残っており、さらに新戦力が続々と台頭している。大会史上最長ブランクとなる72年ぶりの優勝も夢ではない。現時点で最後の優勝となる1949年大会のVメンバー夏苅(旧姓・久保)晴良さん(91)は後輩ランナーを温かく見守りながら、歴史的快挙の瞬間を静かに待っている。(竹内 達朗)

 明大の“レジェンド”夏苅さんは、かつて自身が激走した4区のコースから山側に1キロの神奈川・足柄下郡下中村(現小田原市)に生まれ、現在は海側へわずか100メートルの二宮町に住む。

 「全日本大学駅伝はテレビの前にくぎ付けでした。みんな頑張った。特に6区の大保君の走りに感動した。涙が出た」と約70歳年下の後輩ランナーをたたえた。

 夏苅さんは1948年大会に1年生ながら4区に出場。「昔、地元出身の選手は優先して地元を走らせてもらえた。もちろん10人に入る実力が必要だけど」と、おおらかな時代を振り返る。その年、明大は優勝が有力視されていたが、3区の田中久夫さんのブレーキが響き、3位に終わった。

 翌49年。再び、田中さんは3区、夏苅さんは4区を担った。「この時の田中さんはすごかった。区間賞ですから。タスキを私に託した鬼気迫る表情は今も忘れていません」。夏苅さんも区間2位と健闘し、明大は7度目の優勝を飾った。

 この田中さんは、箱根駅伝を描いた自伝的小説「冬の喝采」の著者で、早大時代に箱根駅伝を走った作家の黒木亮(本名・金山雅之)さんの実父。今年2月に夏苅さんは黒木さんと対面し、黒木さんに田中さんの激走ぶりを伝えた。

 夏苅さんによると、現時点で最後となる明大Vメンバーで、自身以外の9人のうち1人は入院中、1人は音信不通、そして、7人は亡くなったという。魂のタスキをつないだ田中さんも鬼籍に入った。

 「いつもは自宅近くの沿道で応援していますが、今回(の箱根)はテレビの前で一生懸命に応援しますよ。生きているうちに明大の8度目の優勝を見たい。私も近いうちにあの世に行くでしょう。仲間が待っています。『我々以来の明大優勝を見たよ』という土産話を持っていきたいですね。でも、現役の学生の皆さんは、そんな古いOBの思いを背負う必要はない。けがにだけは気をつけて悔いのないように箱根駅伝に挑んで、自分やチームメートのために走ってほしい」。夏苅さんは後輩ランナーへ慈愛に満ちたエールを送った。

 ◆夏苅 晴良(なつがり・はるよし)旧姓・久保。1929年7月2日、神奈川・足柄下郡下中村(現小田原市)生まれ。91歳。47年、平塚農業学校(現平塚農高)から明大に入学。箱根駅伝は1年4区2位、2年4区2位。2年時の49年大会は優勝に貢献した。卒業後、日本通運に入社。その後、電気機器メーカーのナツガリ電子を経営する夏苅家の長女・美恵さんと結婚し、婿入り。ナツガリ電子に入社し、その後、代表取締役を務めた。

 ◆1949年(昭和24年)の出来事 プロ野球は1リーグ制最後のシーズンで巨人が戦後初優勝。10月に湯川秀樹氏が日本人初のノーベル賞を受賞(物理学賞)。11月に朝日新聞で4コマ漫画「サザエさん」の連載開始。主なヒット曲は「銀座カンカン娘」「青い山脈」。同年生まれの主な著名人は歌手の武田鉄矢、矢沢永吉、ボクシング元世界王者・ガッツ石松、元プロ野球選手の村田兆治ら。

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1623929 0 スポーツ報知 2020/11/14 06:00:00 2020/11/14 06:00:00 2020/11/14 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201112-OYT8I50054-T.jpg?type=thumbnail

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