[箱根駅伝]青学が往路5分更新、食らいつく国学院…東洋11位に沈む

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 2日の箱根駅伝往路は、青学大が3年ぶり4度目の往路優勝を飾った。2区岸本(1年)が6人抜きの好走で首位に立ち、3区で2位に下がるも4区吉田祐(4年)が新記録の区間賞で再びトップへ。5区飯田(2年)も区間2位で続き、従来の往路記録を一気に5分15秒上回った。総合連覇を目指す東海大は、5区西田(3年)が区間7位にとどまり、青学大と3分22秒差の4位。国学院大は1区2位の好発進で勢いに乗り、1分33秒差の2位につけた。予選会首位通過の東京国際大が3位に躍進。往路3連覇を狙った東洋大は11位に沈んだ。

高速レースに

 スタート時の気温6・9度、ほぼ無風という好条件に恵まれハイペースの展開となった。1区は終盤に創価大の米満(4年)が抜けだして区間賞。3年連続区間賞を狙った東洋大の西山(3年)は14位だった。

 2区では東洋大の相沢(4年)が区間新記録で7人抜き。東京国際大の伊藤(4年)は区間2位で5人を抜いた。3区では東京国際大のビンセント(1年)が従来の記録を2分1秒更新する驚異的な区間新で7人を抜き、首位に立った。青学大は4区で吉田祐(4年)が区間新を出して首位に立ち、5区でも飯田(2年)が区間記録を上回る区間2位の走りで往路優勝を飾った。2~5区で区間新が誕生。4位の東海大までが従来の往路記録を上回る高速レースだった。

最初で最後 吉田祐快走

タスキを高く掲げる青学大4区の吉田祐也=大原一郎撮影
タスキを高く掲げる青学大4区の吉田祐也=大原一郎撮影

 とにかく楽しもう。青学大の4区吉田祐(4年)は心に決めていた。タスキを手にした時、チームは2位。先頭の東京国際大の背中は見えないが、順位やタイムは頭になかった。夢に見た初めての箱根路。跳ぶような足取りで駆けだした。

 中学で本格的に陸上を始めたのは箱根を走るため。それが、前々回、前回ともアンカーの控えに回り、「11番目の選手」に甘んじた。入学前に陸上は大学限りと決めていた通り、初の箱根が最後の試合。「この1時間のために10年間努力してきた。苦しかった分、満喫する」

 14キロ手前で先頭を奪い、一気に突き放す。原すすむ監督は力走に胸を熱くしていた。1年前、失速で5連覇を逃す要因となったポイントの4区を吉田祐の意地に託した。「2年続けて11番目で、腐ってもおかしくなかった。よく悔しさを糧にした」。東洋大・相沢が前回作った区間記録を24秒更新する区間新で、2位に大差をつけ、吉田祐は「あっという間の1時間だった」と笑った。

2区を力走する岸本大紀(右)
2区を力走する岸本大紀(右)

 流れを決めたのが最上級生なら、追い風に乗せたのは2区の1年生、岸本だ。7位で走り出すと集団に潜んで機をうかがい、最終盤の仕掛けで先頭に立った。原監督は「きつい練習後もしっかり食事し、淡々と寮生活を送る。本物の体力がある」。約2週間前に左足の小指を痛めて3日間走れなかったが、可能性に懸けた起用に快走で応えた。

 「総合優勝で初めて『やっぱり青学は強かった』という物語が完結する」と指揮官。前回王者の東海大に3分22秒差をつけ、ここまでは筋書きを超える出来栄えだ。(佐藤謙治)

「山仕様」浦野及ばず

往路2位でゴールする国学院大の浦野雄平=杉本昌大撮影
往路2位でゴールする国学院大の浦野雄平=杉本昌大撮影

 力は尽くした。それでも、青学大には届かなかった。国学院大の前田康弘監督は「ほぼプラン通りだった。ただ、思った以上に青学大が強かった」と脱帽した。

 4区を終えて青学大と1分28秒差の3位。「2分差以内なら5区で逆転できる」と見ていた指揮官にとっては想定内の差だ。5区は前回区間新記録の浦野(4年)。山への準備をしていなかった昨年と違い、今年は体や走り方を「山仕様」で仕上げてきただけに、前回を大きく上回る好記録も期待された。

 実際、軽やかな足取りで3キロ過ぎで2位に上がり、逆転への下準備は整ったかに見えた。

 しかし、一時詰まった青学大との差は終盤、徐々に開いていった。中盤の急坂でペースアップした時、足がつりかけたという。前回の自身の記録は9秒上回ったが、区間3位で往路優勝には導けず、浦野は「申し訳ない」とうつむいた。

 それでも、往路記録を3分半以上上回り、前回の3位をしのぐ過去最高の往路2位。浦野や2区8位の土方(4年)が高いレベルの練習をこなす中、引っ張られるように1区2位の藤木(2年)、4区3位の中西大(1年)らが成長し、新たな強豪誕生といえる戦いぶりを見せた。

 「復路も例年になく自信がある。うちはうちのレースをするだけ」と前田監督。総合3位の目標へ、無欲で挑む。(工藤圭太)

東海4位 連覇ピンチ

苦しそうな表情で5区を走る東海大の西田壮志
苦しそうな表情で5区を走る東海大の西田壮志

 東海大にとって、往路の4位は想定内。だが、トップの青学大につけられた3分22秒差は、復路での逆転の目安としていたタイムから2分以上も離された。両角はやし監督は「正直、厳しいかな」とぽつり。総合2連覇へ、窮地に立たされた。

 4区は当日変更で、箱根デビューの名取(3年)が区間2位と力走したものの、青学大の吉田祐(4年)に1分以上離された。5区は前年区間2位の西田(3年)が直前に高熱と左アキレスけん痛を発症した影響もあり「思うような走りができなかった」。区間7位にまとめたが、指揮官は「青学大の爆発力にやられた」と肩を落とした。

 大逆転へ、8区は昨年最優秀選手の小松(4年)、補欠には主将の館沢(4年)ら主力級が控える。「6区で逆転への足がかりを作れるかどうか。勝負に出ないといけない」と両角監督。前回王者の底力が試される。(平山一有)

明治 エース温存5位

 5年ぶりのシードを狙う明大が5位と奮闘。補欠に置くエースの阿部(4年)を復路へ温存しながら、2区に抜てきされた1年生の加藤が区間10位と好走。5区では鈴木(2年)が区間5位の走りで4人を抜いた。山本佑樹監督は「往路は10番以内が理想だったが、選手が120%の力を出してくれた」と喜んだ。

■帝京 安定感光る

 記録的高速レースでも、帝京大の安定感が光った。3区で区間記録を上回る区間2位と快走した遠藤(2年)ら、1~4区が区間順位1けたで上位をキープ。往路6位を「順当」とした中野孝行監督は、チームが得意とする復路へ「チャレンジする資格はある。目標は最低でもベスト3」と、力強く上位浮上を誓った。

■太田智 主将の意地

 早大は2区の太田智(4年)が主将の意地を見せた。1位と17秒差の6位で走り出すと先頭集団を形成。「思った以上にハイペースだった」が粘り抜き、区間21位だった前回の雪辱を果たす区間6位で2位へ浮上した。チームは9位まで後退したが「復路もいい選手が残っている」と、目標の総合3位を仲間に託した。

■米満 創価初の区間賞

1区で国学院大の藤木宏太(右)を引き離す創価大の米満怜
1区で国学院大の藤木宏太(右)を引き離す創価大の米満怜

 出場3回目の創価大は、1区米満(4年)の同大初となる区間賞で勢いづいた。男子100メートル世界記録保持者ウサイン・ボルト(ジャマイカ)を尊敬し「伝説になることを意識して走ってきた。大学では、なれたかな」と会心の笑み。2区以降も着実につないで7位でゴール。目標とする総合8位以内へ好発進した。

■駒沢 出遅れ響く

 往路優勝を狙った駒大は序盤の出遅れが響いた。1区の中村大聖主将(4年)が15キロ付近で先頭集団から離されて9位。3年連続の2区に臨んだ山下(4年)も区間13位。3区で7人抜きを演じた田沢(1年)で首位に立つ狙いが外れ、中村大聖は「ハイペースは予想していたが、対応できなかった」と肩を落とした。

 

 拓大・山下拓郎監督「復路の選手は状態もいいので、ミスなくつないでシード権を確保したい」

 中央学院大・川崎勇二監督「往路は良くて8番、悪くて12番と設定していた。想定通り。シードは十分いける」

 中大・藤原正和監督「往路で遅れるのは想定していた。エースが走る7区で抜け出し、シード圏内に残りたい」

 順大・長門俊介監督「往路は10番前後でいたかった。想像以上にハイレベルで後手に回ってしまった」

 日大・武者由幸監督「1区から後手に回った。2区のドゥングが追い上げてくれると思ったが……」

 法大・坪田智夫監督「1区と3区で崩れてしまった。復路はシードを目指すしかない」

 神奈川大・大後栄治監督「復路は何とか突破口を見つけて来年につなげるレースにしたい」

 日体大・横山順一監督「前回同様3区が鬼門になった。切り替えて、優勝という目標にふさわしい復路にしたい」

 筑波大・弘山勉監督「1区がよく走ってくれて、3区までは実力通り。4、5区は力を出せなかった」

 国士舘大・添田正美監督「目標の15位は崩さない。一つ一つつないでいけば可能性が出てくる」

 関東学生連合・山川達也監督(麗沢大)「(1万メートル)28分台の選手を並べたが、なかなか勝負させてもらえなかった」

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981081 0 ニュース 2020/01/03 05:00:00 2020/01/03 06:31:19 2020/01/03 06:31:19 4区で、たすきを高く掲げて5区の中継所に向かう、区間新記録を出した青学大の吉田祐(2日午後0時9分)=大原一郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200102-OYT1I50065-T.jpg?type=thumbnail

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