[箱根駅伝]明治大エース阿部弘輝の意地、故障明けぶっつけ本番の区間新

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 3日に行われた第96回箱根駅伝の復路7区で、明治大の阿部弘輝(4年)が1時間1分40秒の区間新をマークした。故障で夏から長期離脱した今季は、最後の箱根が復帰戦だったが、ぶっつけ本番とは思えぬ快走だった。伝統あるチームを6位に導き、5年ぶりのシード権奪還の立役者になった主将。卒業後は、もちろん「世界」を目指す。(佐々木想)

腰から股関節へ連鎖的に悪化、何もできなかった2か月

平塚中継所手前、たすきリレーの用意をしながら駆ける明治大の阿部弘輝(左)。区間新の力走だった=代表撮影
平塚中継所手前、たすきリレーの用意をしながら駆ける明治大の阿部弘輝(左)。区間新の力走だった=代表撮影

 海岸線に近い復路の平塚中継所は、ほとんど風がなく穏やかな天候に恵まれた。各大学の7区走者が続々と駆け込んでくる。順位を一つ上げ、4位でたすきを渡した阿部は、大きく息を切らせながらも笑みを浮かべた。

 「僕がエースの意地を絶対に見せてやろうという気持ちがあった。走りで体現できたんじゃないかと思う」。故障に苦しんだ半年間のトンネルを抜け、従来の記録より36秒速い区間新。復活への確かな手応えを得た瞬間だった。

 1万メートル27分台の自己ベストを持つ阿部は、学法石川高(福島)時代の同級生で今回2区の区間新を出した東洋大の相沢晃(4年)とともに、現在の学生長距離界トップクラスのランナーだ。7月にイタリア・ナポリで行われたユニバーシアード1万メートルで銀メダルを獲得するなど、今季も順調なシーズンを過ごしていた。

 異変が起きたのはユニバーシアードの後だ。腰やひざから股関節まで連鎖的に故障が広がり、約2か月にわたって何もできないほど症状が悪化した。初めての大きな故障に苦しんだ時期を「人に頼るよりも、自分とずっと向き合っていた。競技をやる上で、ある意味、これが宿命だと思ったから」と振り返る。

 10月からは本格的に練習を再開。予選会や全日本を欠場し、箱根の本大会に照準を合わせて調整を進めた。山本佑樹・駅伝監督から「区間賞を取って卒業してこい」と送り出されると、前半から区間新ペースを刻んだ。阿部本人は「本調子ではなく、足が持つかなという不安はあった。前半は(体が)動いちゃったという感じで、後半相当きつかった。まだハイペースには耐えられない」と明かす。だが、万全ではない状態で新記録をマークしたことは、逆に地力と伸びしろの証明とも言える。

「通過点。オリンピックや世界陸上を目指す」

たすきを受け取り、笑顔で7区を駆けだす阿部(右)
たすきを受け取り、笑顔で7区を駆けだす阿部(右)

 「本来なら相沢と2区で勝負したかった。ケガの影響もあって、そのスタートラインに立つことができなかった」と、自身最後の箱根路には、ほろ苦い思いも残る。それでも、「僕は僕で全力を尽くせた」と、すでに気持ちの整理をつけた。今大会で最大の目標としていたのは、優勝7度、出場61度目の伝統を誇るチームのシード権奪還だったからだ。主将として、エースとして、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 卒業後は住友電工に進む予定だ。「箱根は通過点。東京やパリのオリンピック、世界陸上で戦える選手を目指して、やっていきたい」。視線はさらなる高みを見据えている。

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994512 0 ニュース 2020/01/10 19:00:00 2020/01/10 19:00:00 2020/01/10 19:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200110-OYT1I50083-T.jpg?type=thumbnail

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