吹っ切れた青山学院大のエース吉田圭太、学生トップ級の城西大3本柱…箱根駅伝 つなぐ<7>
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神林と「絆大作戦」をけん引…青学大
エース吉田圭太(4年)の表情は沈んでいた。アンカーを務めた11月の全日本大学駅伝。39秒リードの首位でタスキを受けながら、4位に転落した。仲間に合わせる顔がなく、寮へ帰る足取りは重かった。

自室に戻ると、主将の神林勇太(4年)らが次々訪ねてきた。いつしか部屋は4年生であふれ、口々にエースを励ました。携帯電話には「笑って卒業してもらいます」という後輩のメッセージも。「仲間に恵まれた」。吉田は胸を熱くした。
2連覇へ向け、原
そして、チームの両輪が神林と吉田だ。箱根を控え、神林は「全員が100%力を出せば勝てる」とチームに呼びかけ、一体感を高めた。「自分の力以上のものを背負っていた」という吉田も吹っ切れ、12月上旬の合宿では練習を引っ張った。
恒例の作戦名は「絆大作戦」。今の青学大を表すのに、これほどぴったりな言葉はない。(平野和彦)
シード狙い 序盤に集中…城西大

前回の予選会で暑さに対応できず、15位に終わった反省から走り込みに心血を注いできた。月間の走行距離は去年よりも最大で100キロ近く増加。スタミナが底上げされ、今回の予選会では後半にじわじわと順位を上げて3位通過を果たした。

軸は菊地駿弥主将(4年)と菅原伊織(同)、砂岡拓磨(3年)の「3本柱」。特に菊地は1万メートルの自己記録を28分8秒25に伸ばし、学生トップレベルへ成長した。本人は「力のある選手が集まる2区で1番になりたい」と強い意欲を見せ、櫛部静二監督も「他大学の選手と比べても十分な力がある。往路の主要区間を任せたい」と信頼を寄せる。
経験者不足が気がかりだが、鍵の山下りの対策は入念に進めた。大学付近の山や坂道を利用しての練習や低酸素トレーニングを早い時期から取り入れ、適性のある選手を育成中だ。「1年生をうまく配置して穴がないようにしたい」と指揮官。目標のシード権を手にするため、序盤に爆発力を見せたい。(後藤静華)