はい上がった順大、2年ぶりシード権…経験者3人復路けん引
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3日に行われた第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)の復路で、順天堂大は往路の順位を維持し、総合7位となった。予選会からはい上がり、2年ぶりにシード権(10位以内)を獲得した。
5人全員が初出場だった往路とは対照的に、経験者3人を配置し、着実にレースを進めた。「山下り」の6区は清水颯大主将(4年)。序盤から勢いよく飛び出すと、区間2位の快走で2人を抜き、5位につけた。

その後は7区小島優作選手(3年)、8区西沢侑真選手(2年)、9区鈴木尚輝選手(3年)がいずれも区間順位2桁と苦しみながらも、8位に踏みとどまった。最後は原田宗広選手(4年)が区間6位の力走を見せ、総合7位でゴールテープを切った。
長門俊介監督は「入れ替わりが激しいレースの中で、順位は落ち着くところに落ち着いたという印象だ。4年生がよく頑張ってくれた」と振り返った。シード校として臨む来年の大会に向け、「タイムだけでは計れない度胸や精神力といった選手の『駅伝力』を鍛えて、上位を狙えるチームをつくりたい」と語った。

最上級生の意地、区間2位…清水颯大主将(4年)
「4年間の全てを出し切れ」。運営管理車に乗った長門俊介監督の言葉を背に、箱根の山を駆けおりた。3年連続となる6区で自己最高の58分6秒をたたきだし、区間2位を記録。最上級生の意地を見せた。
チームは例年、立候補で主将を決める。前回大会の後、ミーティングで誰の手も挙がらず、長門監督は言い放った。「下級生のチームになるぞ」。1年生の時から出場してきたが、いずれも区間順位は2桁。くすぶる思いがあり、「何かを変えなければ」と立候補した。
主将としてチームを引っ張り、後輩には積極的にフォームやトレーニング方法をアドバイスした。自身も終盤に崩れにくいフォームを作り上げ、最後の箱根に臨んだ。「今までは甘さがあった。後悔しないように、一から見直した」という。
力のある選手は下級生に多い。1~3年生が前日の往路を走り、7位でつないでくれた。「後輩のために少しでもリードを広げよう」と腕を振った。
タスキを渡した直後、長門監督から「4年間ありがとう」と声をかけられ、一礼で応えた。「最後に最高の結果を出せた」。すがすがしい笑顔だった。(萩原凱)