箱根駅伝
箱根駅伝史上最速の決戦、田沢廉VSイエゴン・ビンセント…花の2区で実現へ
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第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は2022年1月2、3日、東京・大手町の読売新聞社前から箱根・芦ノ湖までを往復する10区間217・1キロのコースで行われる。各校エースのうち、学生最速の呼び声高い駒沢大の田沢廉と、区間記録を二つ保持する東京国際大のイエゴン・ビンセント(ともに3年)を紹介する。2人は今大会、「花の2区」で激突する見通しだ。

駒沢大・田沢「僕が見ているのは世界」
今月4日、1万メートルで来夏の世界選手権参加標準記録27分28秒00をクリアする日本歴代2位の27分23秒44を出した。それでも、田沢の心は満たされてはいない。「うれしいけど、それだけ。僕が見ているのは世界なので」
前回の箱根後に右
駅伝でも勝負強さは際立つ。アンカーを務めた出雲は、序盤から飛ばして3人抜きの力走。全日本の7区では、首位と1分36秒差の4位からトップに押し上げ、2位青学大に18秒差をつけて2連覇を引き寄せた。
活躍の背景には、主将に就いた効果もある。今春に始めた練習日誌では自身だけでなくチームメートの様子もつづる。練習で設定タイムを超えようとする貪欲さは更に増した。大八木弘明監督も「人間的に成長し、自分が引っ張るという強い意志が見える」とうなずく。2区にエントリーされた箱根の目標は区間賞。「エースらしい走り」で、2連覇への弾みをつけるつもりだ。(後藤静華)
東京国際大・ビンセント「キプチョゲが情熱を与えてくれる」

伸びやかなストライドで、ランナーたちを悠然と抜き去ってきた。箱根初登場の前々回は3区で7人を抜き去り、区間記録を2分以上更新した。前回はエースの集う2区。終盤に急坂がある難路に手を焼きながらも、14位からトップに立ち、区間記録を8秒短縮した。「今回も2区を走るので、前回よりいい走りをして、記録も更新したい。どれだけ難しくても、走るしかない」と話す。
東京五輪の男子マラソンで2連覇した母国の英雄エリウド・キプチョゲに憧れる。「彼はいつも情熱をあたえてくれる。彼がいるから、自分も限界を超えることができる」
1万メートルのケニア代表として3年後のパリ五輪に出場することが目下の「夢」だという。その後はマラソンにも挑戦したい。
箱根で見せる異次元の走りは、世界に直結している。(小石川弘幸)
