[箱根駅伝]青学 強さ戻った

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 2日の箱根駅伝往路は、青学大が2年ぶり5度目の優勝を果たした。1区を5位で終えたが、2区の近藤(3年)が2位に押し上げ、3区の太田(1年)がトップに。4、5区も首位を譲らず逃げ切った。帝京大は5区細谷(4年)が区間賞の走りで2人を抜き、トップと2分37秒差の2位。総合連覇がかかる駒大は3区で首位から5位に転落したが、5区金子(2年)が追い上げて3位に浮上した。4位は国学院大、5位は順大だった。前回の往路を制した創価大は8位だった。( 詳しい記録はこちら

後続 引き離す

 ここ数年スローペースになる傾向があった1区で、中大の吉居が序盤から飛び出し、レースを引っ張った。吉居はそのまま快調に走りきり、区間記録を15年ぶりに更新。駒大が2位、青学大も5位と好位置につけた。

 2区では駒大の田沢が区間賞の走りで首位に立ち、青学大も2位に浮上。前回区間新を出した東京国際大のビンセントは区間5位。

 3区では駒大が5位に後退し、青学大と東京国際大が首位争い。終盤に青学大の太田が出て首位を奪った。

 青学大は4、5区をいずれも区間3位でつないで後続を引き離し、往路を制した。最終5区では、帝京大が細谷の区間賞の走りで4位から2位へ、駒大も三つ順位を上げて3位に入った。

3区太田 度胸スパート

王座奪還 視野に

3区で好走を見せた青学大の太田蒼生(後方は東京国際大の丹所健)=三浦邦彦撮影
3区で好走を見せた青学大の太田蒼生(後方は東京国際大の丹所健)=三浦邦彦撮影

 3区の18キロ過ぎ、青学大の太田がペースを上げた。その表情には笑みが浮かんでいた。「ちょっと楽しすぎて、笑っちゃいました」。会心のスパートで首位を奪った。

 序盤で東京国際大の日本人エース 丹所たんしょ (3年)に抜かれたが、その後ろにピタリとついた。13キロ付近では一緒に首位駒大の安原(2年)をかわし、学生トップ級の相手との一騎打ちに。それでも「丹所さんが来るのは想定していたので、追いつかれたら付いていこうと考えていた。ラスト3キロが勝負と思っていた」と臆することはなかった。ためていた力を解き放ち、12秒差をつけて4区につないだ。

 1年生らしからぬ勝負度胸を持っていた太田。原晋監督は「一人一人が自覚を持って走っているので、細かい指示は与えていない」と信頼して送り出していた。

 「最高の位置でたすきをもらえた」という主将の飯田(4年)が首位の座を守り、1年生で山登りの5区を任された若林が往路優勝のゴールテープに飛び込んだ。1区の志貴(2年)が5位で滑り出し、2区の近藤(3年)が2位に引き上げたのも含め、盤石のレース運び。区間賞はなくても、失速する選手は一人もいなかった。

 前回は主力の故障で崩れた反省から、「誰が起用されても走れるという層の厚さを作ってきた。補欠も全員いい状態で復路を迎えられる」と原監督。16人全員が1万メートル28分台の記録を持ち、粒ぞろいの戦力を備える。王座奪還に向けて視界は良好だ。(田上幸広)

帝京 駆け上がる…細谷「山」連覇 2位浮上

4年生ら 快挙導く

5区で区間賞の走りを見せ、往路2位でゴールした帝京大の細谷翔馬=富永健太郎撮影
5区で区間賞の走りを見せ、往路2位でゴールした帝京大の細谷翔馬=富永健太郎撮影

 帝京大の細谷(4年)はレース前、「5区では誰にも負けるつもりはない」と話していた。前回区間賞のプライドを胸に、軽やかに箱根の山を駆け上がり、中盤で2人を抜いて2位へ浮上。そのまま、大学史上最高となる往路2位でゴールテープを切ると、「連続区間賞は狙っていた。しっかり20・8キロ、力を出し切るつもりだった」と、会心のレースを振り返った。

 細谷を含め、2区からの4区間を4年生で固めた。中野孝行監督は「箱根駅伝は、4年間でつけてきた力を出すのが本当の面白さ」と常々語る。高校時代の全国トップクラスはいないが、地道に走り込んで成長してきた。そんな選手たちを送り出した指揮官は「信頼するだけだった」。

 2区の中村は他大学の留学生と並走し、区間8位と好走。4年連続3区を担った遠藤も区間4位で順位を二つ押し上げた。4区の寺嶌は苦しみながらも粘り、細谷の快走につなげた。大学で競技を引退する遠藤は「区間賞を取れなかった悔しさは残るが、新しい道でこの悔しさを胸に努力していきたい」と語った。

 出雲は8位、全日本は13位と苦戦したが、よりタフになる箱根で持ち味が出た。「我々は世界一諦めの悪いチーム」と中野監督。過去最高は総合4位。粘り強く食らいつけば、初の頂点まで見えてくる。(工藤圭太)

田沢快走…後続が誤算 駒沢3位

区間賞となった駒大2区の田沢廉
区間賞となった駒大2区の田沢廉

 留学生が居並ぶ2区で駒大のエース田沢(3年)が区間賞に輝き、2位青学大に1分以上の差をつけた。前回王者のリズムは、しかし、そこから大きく崩れた。

 下りの適性を見込まれ当日入れ替わった3区安原(2年)が、スタミナ切れを起こして区間16位。失敗の連鎖を恐れたか、5位でたすきを受けた花尾(同)は安全運転でレースを進め、中盤を過ぎてもペースを上げられない。大八木弘明監督も「抑え過ぎだぞ」と声を張り上げたが、順位を更にひとつ落とした。

 それでも、箱根初挑戦の金子が山登りの5区で意地を見せた。「4キロくらいからずっときつかった」と苦悶の表情を浮かべながら、一人、また一人と抜いて中盤で3位に浮上。上り坂と単独走を得意とする2年生が、同期のミスをカバーした。

 復路には故障から復帰した準エース鈴木(2年)を起用する方針で、大八木監督は「9区までに1分差以内に縮めたい」。前回、10区で3分19秒差を逆転した王者の誇りをかけ、3分28秒差を追う。(後藤静華)

1年・山本 6人抜き…国学院3区

平塚中継所でタスキをつなぐ国学院大3区の山本歩夢(左)と4区の中西大翔
平塚中継所でタスキをつなぐ国学院大3区の山本歩夢(左)と4区の中西大翔

 国学院大は3区の山本(1年)が区間5位の快走を見せた。10位でたすきを受けると、軽い追い風を受けてグイグイと前に進み、6人抜き。前田康弘監督は「持ち味をしっかり出してくれた」とたたえた。

 3年連続シード獲得の常連校から強豪校への脱皮を目指す国学院大で、初めて高校時代の5000メートルの自己ベストが13分台の大型新人。2019年に出雲を初制覇したチームに憧れたというルーキーに引っ張られるように、4区の中西(3年)が区間4位と好走し、5区の 殿地どんぢ (4年)も中盤以降、低血糖の症状に苦しみながら区間9位で粘り抜いた。力のある若手と上級生が融合する好循環が生まれている。

 「2位争いになると思うが、粘り強く戦いたい」と前田監督。過去最高は前々回の総合3位。主力が多く残る復路も、目が離せないダークホースだ。(工藤圭太)

順天堂 出遅れ挽回5位

2区で力走する順大の三浦龍司
2区で力走する順大の三浦龍司

 序盤で出遅れた順大がじりじりと順位を上げて往路5位。地力の高さを示すような巻き返しを見せた。

 1区の平(3年)が区間18位と失速。2区で東京五輪3000メートル障害7位の三浦(2年)は順位を一つ上げたものの、トップと4分以上の差がついた。

 それでも、長門俊介監督が「自信を持って送り出した」という3区・伊予田(3年)と4区・石井(2年)が流れを変えた。伊予田が区間3位の走りで10位に浮上すると、石井も区間2位の快走。7位でたすきを受けた5区の四釜(3年)は足がつりながらも2人を抜き、「3、4区の流れをつなげることはできた」と振り返った。

 首位・青学大とは4分4秒差。「盛り返す力がついた。出遅れてもこれだけ頑張ってくれた。復路の選手もしっかり走ってくれるのでは」と指揮官。粘りの追い上げを復路でも再現したい。(森井智史)

中央・吉居 1区新記録

1区で先頭に飛び出す中大の吉居大和(右)。区間新記録をマークした
1区で先頭に飛び出す中大の吉居大和(右)。区間新記録をマークした

 全区間で最も古い1区の区間記録を、中大の吉居(2年)が塗りかえた。スタートから先頭で集団を引っ張り、5・6キロで「行くしかない」とペースアップ。腰高の美しいフォームでみるみる後続を引き離していった。前回は失速して3区15位に終わったが、この日は最後まで攻めの走りを貫いた。2007年から止まっていた東海大の佐藤悠基(現SGホールディングス)の記録を26秒更新し、「練習の成果はあったのかな。でも残り5キロでもっと上げたかった」。エースの快走でチームも往路6位。シード権獲得にぐっと近づいた。

東京国際、ビンセント不発

 往路優勝を狙った東京国際大は、大黒柱の2区・ビンセント(3年)が区間5位。前半で首位に立つ目算が狂った。区間新をマークした前回以上の走りが期待されたが、5キロ過ぎから左足首付近に痛みを感じ、意図的にペースを落としたという。3区・丹所(同)が区間賞と快走しただけに、大志田秀次監督は「2区で前に出ていれば」と残念がった。

創価・嶋津 今年も見せ場

 創価大の嶋津(4年)が、今回も見せ場を作った。4区、11位でたすきを受け取って6人を抜き、区間賞に輝いた。「抜くたびにその大学から力をもらい、前へ前へと、走り切れた」と会心の笑み。前々回は初のシード権獲得、前回は往路優勝の立役者となった日本人エースは今回も「魂の走り」を見せ、期待に応えた。

東洋、4区失速で9位

 往路9位の東洋大は区間18位に終わった4区の失速が響いた。主将の宮下(4年)が区間記録を持つ5区で挽回を狙ったが、中盤までピッチが上がらず、区間8位で3人を抜くにとどまった。復路に向けて酒井俊幸監督は「シード権を取れればいいではなくて、もう一回、上を目指せるようにしたい」と語った。

東海・吉田が5区力走

 東海大は1区市村(4年)の区間3位の好走後、2~4区で低迷。しかし、17位でたすきを受けた5区吉田(1年)が区間2位の力走で10位まで盛り返した。 両角速もろずみはやし 監督の掲げた「往路は6位以内で終わりたい」との目標には届かなかったが、3大会前に総合優勝した底力を復路でも見せたい。

早稲田まさか11位

 総合優勝を狙った早大は11位。1万メートル27分台トリオを1~3区に並べて逃げ切りを図ったが、1区の井川(3年)が16位と出遅れ、2区のエース 中谷なかや (4年)も挽回出来なかった。相楽豊監督は「1区から後手に回ってしまった。復路では先頭は厳しいかもしれないが、2番手以降は僅差で続いている」と巻き返しを誓った。

  神奈川大・大後栄治監督 「(シード圏内の)10位まで12秒差。満点ではないが、よく粘ってくれた。自滅せず他校を拾いながら、シード権争いにからみたい」

  法大・坪田智夫監督 「5区の途中までは予定通りだったが、最後に崩れてしまったのが少し痛い。復路では、しっかりとシードをとりにいきたい」

  国士舘大・添田正美監督 「キャプテン(1区の木榑)がいい流れを作って、みんなが全体的に力を出しきってくれた」

  山梨学院大・飯島理彰監督 「1区木山は頑張った。2区オニエゴのタイムは立派。復路はシードを目指すが、まずは自分たちの走りをすること」

  日体大・玉城良二監督 「復路に力のある選手が控えていて、シード権は十分届く範囲にいると思う。6区でいいスタートを切ることが反撃の条件」

  明大・山本佑樹監督 「細かい反省はできていないが、僕の最後の調整のやり方が悪かったのかなと思っている」

  中央学院大・川崎勇二監督 「1区の出遅れがすべて。栗原は(調子が)良くなくてもまとめてくれると思った。復路は上を意識するよりも力を出し切りたい」

  専大・長谷川淳監督 「1区は良い流れで来てくれた。一斉スタートで仕切り直し、目標のタイム、順位を目指して頑張りたい」

  駿河台大・徳本一善監督 「(往路20位に)甘くなかった。ただ、たすきをつなぐことが目標なので、それが出来たのは良かった」

  関東学生連合・山下拓郎監督(拓大) 「力ある選手をつぎこみ、何とか耐えてくれた。学生たちが掲げた総合10位相当を目指したい」

控えの起用 V争いカギ

「シード権」混戦

 前回も復路優勝を飾っている青学大は、分厚い戦力を復路にも残している。6区の高橋勇輝(4年)は、前回区間3位で山を下りた経験者。主力級のランナーも補欠に残しており、往路と同様に調子の良い選手を起用して逃げ切りを図る。

 往路2位と飛躍を遂げた帝京大は、8区に主将の橋本尚斗(4年)が控えており、チームの総力を結集して青学大を追う。総合2連覇を目指す駒大は、補欠に入った準エースの鈴木 芽吹めぶき (2年)をどこで起用するかが鍵となる。終盤までもつれる展開に持ち込みたい。

 10位までに与えられるシード権争いは、10位の東海大から14位の国士舘大まで35秒差しかなく、大混戦となりそうだ。

    ◇

主催   関東学生陸上競技連盟

共催   読売新聞社

特別後援 日本テレビ放送網

後援   報知新聞社

特別協賛 サッポロホールディングス

協賛   ミズノ、トヨタ自動車、セコム、敷島製パン

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2645388 0 ニュース 2022/01/03 05:00:00 2022/01/03 07:16:51 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220102-OYT1I50089-T.jpg?type=thumbnail

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