早稲田大トレーナーの真心「誰かの勝利を泣いて喜びたい」…箱根駅伝ランナーたちに捧げた4年間

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 青山学院大が大会新記録で6度目の優勝を飾った第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)。強豪の圧勝劇の裏側には、名門チームの苦闘を支えてきた女子トレーナーの姿もあった。箱根駅伝のもう一つの物語、「アナザー・ストーリー」として紹介する。

選手の体調などを聞く早大の松崎涼佳トレーナー(右)=本人提供
選手の体調などを聞く早大の松崎涼佳トレーナー(右)=本人提供

松崎涼佳さん、マッサージやケガ対応で週6日

 誰かのために泣き、喜びたい――。そんな思いで4年間、トレーナーを務めた。

 高校時代まで陸上選手だったが、ケガに苦しんだ。神奈川・厚木高3年時に初めて県大会決勝に進んだ時、支えてくれたマネジャーが泣いて喜んでくれた。「自分も誰かのために動いて、その勝利を泣いて見る経験をしたい」。運動生理学などにも興味を持ち、早大スポーツ科学部に入学。競走部の門をたたいた。

 仕事は週に6日。ジャージー姿でメイクもせず、練習に通った。マッサージやケガへの対応などにあたりながら、「一つ学ぶたびに次にできないことが見えてきた」と苦悩した。

暑熱対策も研究、卒業後は在京メディアへ

 4年生になり、「自分にしかできないことは何か」と考え、新たに発足した暑熱対策チームのリーダーに立候補。定期的に気温35度前後に設定した専用室で、運動前後の選手の尿の成分を調べるなどして体の変化を追った。今年の箱根でチームは3年ぶりにシード権を逃したが、相楽豊監督は「彼女の貢献は非常に大きかった。これからも並大抵の苦労には負けない、競走部のスピリットを持って活躍してほしい」と感謝した。

 卒業後は在京メディアに就職する。「間近で見てきた選手のリアルを伝え、自分以外の人をキラキラさせられるような人になりたい」と前を向く。それでも、箱根を終えた3日夜は、様々な思いが去来した。

 「やり残したこともあるけど、一度しかない4年間だったからこそ価値があった」

 笑顔とともに、涙があふれた。(工藤圭太)

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2670770 0 ニュース 2022/01/13 11:20:00 2022/01/13 11:20:00 選手の様子を聞く松崎さん(右)=本人提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220113-OYT1I50041-T.jpg?type=thumbnail

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