箱根駅伝

駒沢大の田沢廉、「本職」ではないレースで快走…世界見据えて進化した感覚

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 風がぬるみ、花々が道端を飾りだすと、陸上競技はトラックシーズンを迎える。その幕開けのレースで、世界を見据える学生ランナーが躍動した。(編集委員 近藤雄二)

駒沢大の大型新人がアフリカ勢と好勝負…5000MでU20新記録、ぼくとつと「想定通り」
5000メートルで本職の1万メートルへの手応えを得た田沢廉
5000メートルで本職の1万メートルへの手応えを得た田沢廉

5000Mで日本人学生歴代6位

 春真っ盛りの熊本に中長距離界のトップランナーたちが集まった、4月9日の金栗記念選抜中長距離大会。日本マラソン界の父、そして、箱根駅伝の生みの親でもある金栗四三の名を冠したレースで、駒沢大の田沢廉(4年)が進化の跡を見せた。

 既に男子1万メートルで世界選手権の標準記録を突破している田沢は、本命ではない5000メートルを力試しの布石としていた。

 トップ集団を作る実業団の外国勢に、日本勢で唯一挑んだ。ラストで東京国際大のイエゴン・ビンセント(4年)にかわされたが、昨年出した自己記録を7秒31塗り替える、13分22秒60の日本人学生歴代6位の好記録をマーク。「日本人トップは当たり前という意識だったので、ビンセントに負けたのだけは不満ですが、レース展開、タイムとも、全体的に良かったです」と淡々と振り返った。

 大会前、田沢と大八木弘明監督は、こんな会話をかわしていたという。

 「田沢、今回は13分19秒くらいでいこうか?」

 「いや、それだと疲労が抜けないと思います」

 今、2人が狙うのは、5月7日の日本選手権1万メートルで3位以内に入って世界選手権の内定をつかむこと。そこに向けての最後のレースでは、高めたスピードを確認できればよかった。

余裕たっぷり「体を追い込まず、いい刺激が入った」

 大八木監督が示したタイムは日本人学生記録だったが、田沢は頓着せずに、13分25秒切り程度を目指したという。その結果の13分22秒60。監督が挙げた記録からわずか3秒差の走りに、田沢は「悪くない感覚。本職は1万メートルなので、体的にも追い込みすぎず、いい刺激が入ったと思います」。

 大八木監督も「自分の中で繊細な感覚があって、それをしっかり自覚してる。去年とは全然違うくらい余裕度もありますよ」と語る。1万メートルの自己記録は昨年12月に出した27分23秒44。既に日本選手を超えて世界を見据えるスケール、自身の体への鋭敏なこだわり。相沢晃(旭化成)の日本記録27分18秒75はもとより、27分ひとけた、日本人初の26分台も視野に入ったと思わせる、一回り大きくなった今季の滑り出しだった。

筆者プロフィル

近藤雄二 (こんどう・ゆうじ)1968年生まれ。早大時代に箱根駅伝3度出場。2022年東京マラソンで2時間48分11秒をマーク。

スクラップは会員限定です

使い方
「箱根駅伝」の最新記事一覧
2932308 0 ニュース 2022/04/19 16:30:00 2022/04/19 17:29:14 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220418-OYT1I50062-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)