「三羽ガラス」の恩返し、早稲田大・花田勝彦新監督の胸に息づく「瀬古さんの指導」

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 早稲田大(練習拠点・埼玉県所沢市)は、今年の箱根駅伝で総合優勝を目標に掲げながら13位に終わり、3年ぶりにシード権を失った。6月に駅伝監督に就任した花田勝彦氏(51)はかつて、「早大三羽ガラス」の一人として学生駅伝で活躍。実業団でも実績を残し、駅伝部監督として上武大(群馬県)を8年連続で箱根路に導いた。名門・早稲田の復活という重責を担う指揮官の胸には、恩師で日本の陸上界をリードしてきた瀬古利彦さん(65)の教えが去来している。(さいたま支局・宮川徹也)

選手たちの練習を見守る花田監督(左)(18日、所沢市で)
選手たちの練習を見守る花田監督(左)(18日、所沢市で)

思い出す恩師の一言「今年は強くなるぞ」…五輪へ2度

 高校3年時の全国高校総体(インターハイ)1500メートルで5位入賞を果たすと、早大のコーチに就任予定だった瀬古さんから声をかけられた。「一緒に世界を目指そう」。経済的な事情で一度は断ったものの、憧れの存在だった瀬古さんから熱心に勧誘されて早稲田に進んだ。

 基礎から鍛え直し、入学から2年続けて箱根路を駆けたものの、世界を知る瀬古さんが期待する活躍ではなかった。「花田、このままでは上で勝負できないぞ」。厳しい言葉に、自分の置かれている立場を知った。

 2年生の終わりの沖縄合宿。3週間近く、死にものぐるいで練習メニューをこなし続けたが、最終日に脚が悲鳴を上げるほど力を出し尽くした。「今日の練習できません」。瀬古さんにそう伝えると、悔しくて涙がこぼれた。

 その夜。宿舎で瀬古さんに呼び出され、食事の席でこう言われた。「この合宿でよく頑張っていたな。競技に打ち込んでいる姿を見たかった。今年は強くなるぞ」。憧れの人に認められた瞬間だった。

 3年生になると、栄養学を研究して体質を改善したほか、本番で力を発揮するため、メンタルトレーニングで自分を見つめ直した。瀬古さんの言葉通り、当時の学生ランナーでは少なかった5000メートル13分台の記録を出し、箱根駅伝では4区で当時の区間記録を更新。チームも総合優勝を果たした。

 卒業後は瀬古さんが監督を務めるエスビー食品に入社。師弟で世界を目指し、2度の五輪で日の丸を背負った。

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3127572 0 ニュース 2022/06/30 16:53:00 2022/06/30 16:58:24 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/06/20220630-OYT1I50111-T.jpg?type=thumbnail

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