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ドイツ・アウディのスポーツ用多目的車(SUV)「Q5」シリーズに新グレード「スポーツバック」が追加された。「スポーツバック」モデルは、SUVの中でも街乗りに適したクロスオーバータイプで、アウディの車種で設定されたのは「e-tron(イー・トロン)」などに次ぎ、3番目となる。



今回試乗したのは、追加導入を記念して装備を充実させた限定モデル「ファーストエディション」である。停車中に2メートル以内に近づいた後続車へ点灯して接近を警告する機能をもつマトリクスLEDライトなどが標準装備となっている。
ボディーサイズは、ベースとなる「Q5」と比べ、全長が15ミリ長く、全高は5ミリ低くなって外観のスポーティーさが増した。荷室の容量は少し減ったものの、後席の空間も含め、実用レベルではほぼ変わらない。家族連れでキャンプなどに出かける時に積む荷物量などを想定しているといい、十分なサイズだ。
エンジンは2リッター直列4気筒直噴ターボディーゼルで、発進時などに限ってモーターがエンジンを補助するマイルドハイブリッドシステムを組み合わせている。基本はクワトロ(四輪駆動)だが、搭載システムが路面状況などから判断して二輪駆動を選ぶほか、高速道路での惰力走行時はエンジンを切って燃費向上につなげている。

実際に走らせてみると、発進からスムーズで、走行中もディーゼルエンジン特有の騒音が場面によってはあるものの、ほぼ感じないレベルといえる。昔のディーゼル車とは隔世の感がある。
今回は、群馬県の榛名湖、栃木県足利市などへの約200キロのドライブで、途中渋滞に巻き込まれなかったこともあるが、燃費計の数字は、1リットルあたり13~20キロを示していた。

環境問題の観点から、ディーゼルエンジンは厳しい目で見られているが、長距離走行時の燃費の良さという利点は変わらない。欧州連合(EU)は2035年までにガソリン車やディーゼル車などの販売を事実上禁止する方針を打ち出しているが、電気自動車(EV)は充電設備の普及など課題も多い。ディーゼルなどの内燃機関が本当になくなるのか、今後の行方が気になるところだ。
最後に、このクルマの搭載機能「パークアシスト」を利用した。センサーが近くの駐車スペースを感知して、ステアリング操作を自動で代行する機能だ。駐車スペースの感知具合がいまひとつの場合はあるものの、感知してからの操作は早く、駐車が不慣れな人には便利な機能だと思った。ぜひ動画でご覧ください。(読売新聞オンライン 松崎恵三)
【仕様・主要諸元】
▼全長・全幅・全高(ミリ) 4680・1900・1665
▼総排気量(cc) 1968
▼WLTCモード(キロ/リットル) 14・5
▼価格(ファーストエディション) 837万円