日本初のディーゼルPHV 燃費の良さなどが際立つ メルセデス・ベンツ「E350de」(Vol.593)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 クルマの電動化が進み、欧州からの輸入車でも、家庭で充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHV)が登場している。メルセデス・ベンツ「E350de」は、日本に初めて導入されたディーゼルエンジンのPHVになる。

ディーゼルPHV「E350de」の外観
ディーゼルPHV「E350de」の外観

 搭載されるエンジンは、排気量が1950ccの直列4気筒ディーゼルターボで、電子制御の9速自動変速機が組み合わされている。イグニッションを入れ、充電量が十分であれば、エンジンは始動せず、モーターのみとなる。その走行距離は最長50キロという。

運転席の基本デザインは、他のEクラスと変わらない。ただ、右のメーターにモーターやハイブリッド走行時の数値が表示される
運転席の基本デザインは、他のEクラスと変わらない。ただ、右のメーターにモーターやハイブリッド走行時の数値が表示される

 ディーゼルターボエンジンとモーターを組み合わせた総合性能はというと、最大トルクが700Nmで、モーター単独でも440Nmある(ちなみに、トルクはエンジンの回転力を示した数値で、一般的に、この値が大きいと瞬発力が大きいとされている)。モーターの数値はディーゼルターボエンジン単独の最大トルク400Nmを超える。このため、大柄な上級4ドアセダンである「Eクラス」でも、軽くアクセルペダルを踏むだけで、モーターだけでも素早く発進・加速させることができる。さらに、高速道路へ入っても、なお力強い加速は続き、巡航する。よほどアクセルペダルを深く踏み込み、強い瞬発力を求めることをしない限り、ディーゼルターボエンジンは始動しない。

 やがて、バッテリーの数値が下がってくると、ハイブリッド走行となり、モーター駆動からディーゼルターボエンジン駆動に切り替わる。だが、モーターもディーゼルエンジンも低い回転数で大きな力を出すという特性が共通しているため、移行が行われたというような、切り替わりのショックは感じなかった。エンジン音が耳に届くことで知ったくらいだ。

 このディーゼルターボエンジンは、もともと振動や騒音がよく抑えられている。さらに、ハイブリッド走行ではモーターが適度に補助してくれるので、エンジンも回転数を上げずにすみ、ディーゼル走行時以上に静かさを覚えさせるのだろう。このため、ハイブリッド走行になっても、快適な走行が続き、快い。

 走行中の乗り味は、基本的にはメルセデス・ベンツの中でも上級車種である「Eクラス」そのもので、落ち着きがあり、運転操作にも的確に応答し、不安なく走れる。メルセデスは、車種を問わず、後席の乗り心地も優れているが、この「E350de」も変わりはない。つい、うとうとと居眠りをしそうになるほどだ。

居心地の良い後席。座面の高さも適切で、きちんとした姿勢で長時間座っていられる
居心地の良い後席。座面の高さも適切で、きちんとした姿勢で長時間座っていられる
リチウムイオンバッテリーが後席と荷室の間に搭載されているため、荷室容量は多少狭くなっている
リチウムイオンバッテリーが後席と荷室の間に搭載されているため、荷室容量は多少狭くなっている

 ディーゼルターボエンジンのほかに、ガソリンターボエンジンのPHV「E350e」もあり、価格はディーゼルの方が23万円高い(875万円)。また、燃費(1リットルあたり)も、ディーゼルが15.9キロであるのに対し、ガソリンでは12.4キロ(ともにWLTCモード)だ。一方、モーターのみでの走行はガソリンの方がわずかに長く、最長51キロとなっている。

車体右後方のバンパー部分に、充電ケーブルの差し込み口が設けられている
車体右後方のバンパー部分に、充電ケーブルの差し込み口が設けられている
200Vの充電用ケーブルには、充電状況を管理するコントロールボックスが装備されている
200Vの充電用ケーブルには、充電状況を管理するコントロールボックスが装備されている

燃料の軽油は、右側の緑色の給油口から補給する。左側の青いキャップは、排出ガス中の窒素酸化物(NOx)浄化の尿素水溶液の補充口だ
燃料の軽油は、右側の緑色の給油口から補給する。左側の青いキャップは、排出ガス中の窒素酸化物(NOx)浄化の尿素水溶液の補充口だ

 車両価格、燃料費用も含めたお買い得度を考えてみる。概算(4月中旬の燃料費で計算)だが、軽油とプレミアムガソリンの価格差は1リットル当たり約30円で、年間1万キロを走る人の場合は、5年で車両価格差の23万円に追いつく。それ以上走る人や保有期間が長くなる人の場合は、ディーゼルPHVに軍配が上がることになる。ただ、ガソリン車の方が使い勝手が良いという人もいるだろう。どちらを選ぶにしても、自宅に200Vの充電コンセントを設置できる人には、選んで損はない一台だ。

 (※クルマの性能数値には、欧州参考値も含む)

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

無断転載・複製を禁じます
1191440 0 インプレッション 2020/05/05 05:20:00 2020/05/13 12:52:59 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200513-OYT8I50032-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

一緒に読もう新聞コンクール

新着クーポン

NEW
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
NEW
参考画像
600円300円
NEW
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス
NEW
参考画像
ご宿泊のお客様の夕食時に地酒(お銚子)またはソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ