実用性に優れ、多目的に使えるクルマ プジョー「リフター」(Vol.597)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 フランスのプジョーは、昨年10月に発表した「リフター」について、ミニバン、SUV(スポーツ用多目的車)、ワゴンのすべての魅力を併せ持つMPV(多目的車)と表現している。軽自動車では、車高が高いスーパーハイトワゴン(トールワゴンとも呼ばれる)が人気だが、3ナンバー車の「リフター」になると、車高は1.89メートルもあり、見上げるようだ。今回は、導入を記念したモデル「デビューエディション」に試乗することができた。

プジョー「リフター」の導入記念モデル「デビューエディション」
プジョー「リフター」の導入記念モデル「デビューエディション」

ほかのプジョー車と同様、ハンドルは小さめで、ハンドルの上からメーターを見ることになる
ほかのプジョー車と同様、ハンドルは小さめで、ハンドルの上からメーターを見ることになる

 運転席に座ると、ミニバンのような高い視界だ。遠くまでよく見通せるが、車体の大きさゆえか、やや左側の車両感覚がつかみにくい。最初は住宅街の狭い道や、高速道路の料金所を通過する時などに神経を使った。それでも、曲がるときには小回りが利くため、車両感覚に慣れれば市街地でも楽に運転できそうだ。

 座席は、ミニバンと違って3列目はない。後席(2列目)の3人掛けは、個別に座れる形状をしているので、中央に座ることになっても体は安定しそうだ。ただ、背もたれを倒して荷室を広げることなど使い勝手を優先したためか、やや座面が短めなのが気になった。

 運転席は十分な大きさで、きちんと体を支える形をしており、クッションの弾力も適度で、疲れにくい。長距離の移動でも楽に運転を続けられるのではないだろうか。そのあたりに、長い夏季休暇を楽しむフランス人の要求が生かされていると感じる。

 荷室は、開発のベース車両になったのが商用バンとのことで、広々としており、また余計な出っ張りもなく、いろいろな荷物を積みやすそうだ。車高も高いので、かなり背のある荷物も積めるだろう。助手席の背もたれを前側へ倒せるようになっており、助手席まで使えばかなり長いモノも搭載できる。余暇はもちろんだが、仕事などにも活用できそうだ。リアゲートのほかに、リアウィンドーだけの開閉もできるので小物の出し入れに便利だろう。

高い車体という特徴を生かし、天井部分に小物入れが設けられていた
高い車体という特徴を生かし、天井部分に小物入れが設けられていた
ご覧のように助手席を前方へ倒せば、長い荷物も積みこめる
ご覧のように助手席を前方へ倒せば、長い荷物も積みこめる

荷室は、商用バンのように広く、荷物を積みやすそうだ
荷室は、商用バンのように広く、荷物を積みやすそうだ
リアウィンドーだけの開閉ができ、小物の出し入れに便利だ
リアウィンドーだけの開閉ができ、小物の出し入れに便利だ

 エンジンは1.5リッターのディーゼル直噴ターボだ。欧州メーカーのディーゼルターボ車は国内でも多く出ているが、車外ではディーゼル音が気になるという車種が少なくない。しかし、「リフター」はほとんど意識させられなかった。車内でもディーゼル特有の振動や騒音をほとんど感じない。アイドリングストップからエンジンが再始動しても、ディーゼル音に落胆するようなことはなかった。

 高速道路に入ってからもエンジンは軽やかに回り、また低い回転数から力を出すので、アクセルペダルを軽く踏み込むだけで期待通りの速度に達した。8速オートマチックトランスミッションとの相性もよく、市街から高速まで快適に運転できた。

 振動と騒音に関しては、後席に座ってもそれほど気にならない。もちろん高級車のような静寂とまではいえないが、耳障りな雑音がなく、前後の席で普通に会話できるくらいの環境を保っている。

後席の3人掛けの座席は、個別に座れる座面形状になっている。ただ、後ろのスライドドアは開閉が硬く、そして重かった
後席の3人掛けの座席は、個別に座れる座面形状になっている。ただ、後ろのスライドドアは開閉が硬く、そして重かった

 唯一といっていいくらい残念だったのは、後ろのスライドドアの開閉だ。電動の自動ドアはフランスでも設定されていないとのことで、人力で開閉するのだが、かなり重いのだ。ことに、車内からは、なかなか閉めることができなかった。男性でも苦労するのだから、女性はなおさらだろう。電動化しなくても、動きを軽くする方法はあるはずで、今後の改良を期待する。

 総合的には、実用性に優れ、運転や乗り心地も快適で、MPVという表現通りの魅力満載のクルマといえる。

 ※このモデルは、予約注文を終了しています

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

無断転載・複製を禁じます
1330901 0 インプレッション 2020/07/14 05:20:00 2020/07/14 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200708-OYT8I50044-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

一緒に読もう新聞コンクール

新着クーポン

NEW
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
NEW
参考画像
600円300円
NEW
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス
NEW
参考画像
ご宿泊のお客様の夕食時に地酒(お銚子)またはソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ