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独自の2モーター方式のHV、乗り心地には課題も ホンダ「アコード」(Vol.598)

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 ホンダの上級セダン「アコード」がフルモデルチェンジをし、10代目となった。国内で販売されるのは、ハイブリッド車(HV)の1グレードのみ。排気量1993ccの直列4気筒ガソリンエンジンに二つのモーターを組み合わせた「e:HEV」と呼ばれるシステムで、前型までの「i‐MMD」と基本システムは同じで、改良されているとのことだ。

1グレードのみで、車両本体価格は465万円
1グレードのみで、車両本体価格は465万円

 「e:HEV」の特徴は、基本はガソリンエンジンで発電し、その電力を使ってモーターを駆動する。エンジンとモーターの両方を駆動力に使うトヨタ自動車の方式とは異なる。高速での巡航時にはガソリンエンジンでの走行も行うが、その際はホンダ独自の制御が組み込まれている。

「e:HEV」という名称のハイブリッドシステムは、ホンダ独自の2モーター方式を採用
「e:HEV」という名称のハイブリッドシステムは、ホンダ独自の2モーター方式を採用
運転席から見るカーナビゲーション画面は、やや上を向きすぎではと感じた
運転席から見るカーナビゲーション画面は、やや上を向きすぎではと感じた

 実際に運転してみる。イグニッションを入れると、まず、一つのモーター走行で発進する。搭載するバッテリー電力が少なくなると、エンジンが起動し、走行に使用していないもう一つのモーターが、発電機の役割を果たすことになる。

 一般道での運転では、発進と停止が繰り返されるので、減速の場面が少なくない。その時、アクセルペダルを戻した際に機能する回生を使うべく速度調整していくと、メーターの電気残量計は真ん中あたりを起点に上下動する。この間、エンジンはほとんど起動していない。モーターのみでも、かなり走行できる制御になっていることがわかる。

 このため、通常の運転では室内が静かで、まさに上級セダンにふさわしい空間となる。ただ、エンジン音がないぶん、タイヤ騒音がやや気になった。使用しているタイヤは、もともと静粛性が売りのブランドで、モデルチェンジに合わせ、走行性能や燃費などの性能を高める調整が行われたとの説明であった。だが、静粛性能の向上は、いまひとつだったのだろうか。今後、さらに向上させてほしいと思うほどだった。

 高速道路に入っても、モーターによる滑らかな走行感覚は変わらない。高速道路を一定速度で走るときには、効率を考え、ガソリンエンジンでの走行になるとの説明だが、エンジンが回っているという感じはあまりなかった。強く加速した時に、エンジン音が大きくなり、初めてその存在に気づかされる。それでも、不快な音ではなく、滑らかに回転を上げていく様子は心地よくもあった。

運転席は、背中のクッションが出っ張った形状のため、腰が疲れた
運転席は、背中のクッションが出っ張った形状のため、腰が疲れた
後席は、座面と床の差が十分で足を下ろして着座できる。ただ、座席の形状が自分の体形に合わないのか、腰が沈みすぎ、姿勢を保ちにくいという印象が残った
後席は、座面と床の差が十分で足を下ろして着座できる。ただ、座席の形状が自分の体形に合わないのか、腰が沈みすぎ、姿勢を保ちにくいという印象が残った

荷室容量は、4ドアセダンとして不足はない。さらに、荷室から後席の肘掛け部分を貫いて使うことができ、長いものを室内に積むことができる
荷室容量は、4ドアセダンとして不足はない。さらに、荷室から後席の肘掛け部分を貫いて使うことができ、長いものを室内に積むことができる
クーペを思わせる外観は、「クラリティPHEV」や「インサイト」とも共通する
クーペを思わせる外観は、「クラリティPHEV」や「インサイト」とも共通する

 ただ、高速道路を含め、合計で約120キロ走行したなかで、気になったのは、細かい振動が続く乗り心地であった。開発責任者の説明によれば、路面の凹凸を乗り越えた後の振動は前型より抑えてあるとのこと。しかし、サスペンションがやや突っ張った感じで、路面変化を細かく伝え続ける状態だったため振動が収まらない印象を残したのだろう。残念ながら、上級セダンに期待されるしなやかな乗り味とはいいがたい。ずっと振動が続いたことで首筋に鈍痛が起こり、それほど長い試乗距離ではないにもかかわらず、クルマを降りたときには疲れを覚えた。

 出たばかりの新車であるため、もしかしたらダンパーの動きなどが渋めなのかもしれない。それでも、試乗車は事前に走り込みが行われているのが常で、サスペンションの仕立てに問題があるのかもしれない。

 HVを()かした上質な乗り味のためには、タイヤ騒音と乗り心地の改善が期待される。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

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1368606 0 インプレッション 2020/07/28 05:20:00 2020/07/28 10:46:08 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200722-OYT8I50039-T.jpg?type=thumbnail

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