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30年ぶりの全面改良、洗練されたイメージに ジャガー・ランドローバー「ディフェンダー」(Vol.603)

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 英国の代表的四輪駆動車(4WD)ブランド「ランドローバーシリーズ」の「ディフェンダー」が、約30年ぶりにフルモデルチェンジをした。米国「ジープ」、ドイツのメルセデス・ベンツ「Gクラス」のように、悪路走破を難なくこなすクルマだが、試乗したところ、頑丈さだけではないクルマに大きく変貌(へんぼう)していた。

約30年ぶりのフルモデルチェンジで、内外装とも一新された。武骨さは消え、洗練されたイメージになった
約30年ぶりのフルモデルチェンジで、内外装とも一新された。武骨さは消え、洗練されたイメージになった

 従来4WDの多くは、トラックと同じようにサスペンションなどが付くフレーム(下部構造)と、座席などの車体(上部構造)が別構造だった。新型は、乗用車の作り方と同じく、フレームと車体が一体の構造(モノコック構造)に変更された。

 「ランドローバーシリーズ」には、より高級なタイプ「レンジローバー」や大型の「ディスカバリー」といったタイプがあり、それらは乗用車にも通じる乗り心地のよさや、舗装路での走行性能を高めたタイプになっている。新型も、同様に、上質な乗り心地のクルマになった。悪路走破用の頑丈な道具から、舗装路での走りを優先した最近のSUV(スポーツ用多目的車)的要素が強まったといえる。

運転席はたっぷりとした寸法がある。悪路走行中も、姿勢が崩れず、身体への衝撃も和らげてくれた
運転席はたっぷりとした寸法がある。悪路走行中も、姿勢が崩れず、身体への衝撃も和らげてくれた
水平基調のダッシュボードのデザインが、視界の良さや車幅感覚のつかみやすさにつながっている
水平基調のダッシュボードのデザインが、視界の良さや車幅感覚のつかみやすさにつながっている

 とはいえ、4WDにふさわしく、試乗会場には悪路走破の特設路が設けられており、そこで未舗装の急な上り下りを試すことができた。電子制御による駆動力の調整がよく働き、特別な運転技量がなくても、難なく走り通すことができた。日本に導入されるのはガソリンエンジンのみ。排気量1997ccの直列4気筒ターボは、車両重量2トンを超えるクルマを感じさせない走りを見せてくれた。

未舗装路を走行する際には、車高を上げ、路面の凹凸に床下を接触させないように調整できる
未舗装路を走行する際には、車高を上げ、路面の凹凸に床下を接触させないように調整できる
未舗装路の走行時に、前輪の地面の様子をカメラ映像で見せる機能が装備された。見にくい足元部分が分かり、安心感をもたらしてくれる
未舗装路の走行時に、前輪の地面の様子をカメラ映像で見せる機能が装備された。見にくい足元部分が分かり、安心感をもたらしてくれる

 あまりにあっけない悪路走破だったので、続いて平地ながら凹凸の多い未舗装路を走ってみた。すると、上下に大きくストロークをとったサスペンションにより、車体は大きく弾むこともなく、穴のあいた凹凸道をこなしていく。この悪路の走行安定性と乗り心地の両立は、普通のSUVでは難しいと思われる。やはり悪路走破性を重視した4WDだけのことはあると思った。

2トンを超える車体重量にもかかわらず、ガソリンターボエンジンは、力強い走りを見せてくれた
2トンを超える車体重量にもかかわらず、ガソリンターボエンジンは、力強い走りを見せてくれた

 一方、悪路重視タイプの場合、舗装路のカーブでは車体が傾き過ぎるとか、直線でふらつき気味になるなど、やや不安定さを露呈するケースがある。新型は、舗装路の連続するカーブで大きく車体が傾くとか、左右の切り返しで姿勢修正が遅れたりすることもなく、俊敏に駆けぬけた。高性能な4ドアセダンのような乗り味であり、静粛性にも優れる。

 全長は5メートル近く、車幅も2メートルを超える巨体であるにもかかわらず、試乗会が催された地方都市の一般道でも車幅を気にすることなく運転できた。もちろん、すれ違いや車庫入れなどでは神経を使うかもしれない。だが、車線内を走っているときは、車線からはみ出したりしないかという不安を覚えさせなかった。この車両感覚のつかみやすさも、実は、悪路を走る際に大きく役立つはずだ。一歩誤れば、樹木や岩にぶつかったりするような荒野では、車両感覚がつかみやすくなければ安心して運転することはできない。

試乗したクルマは、車体の長いグレードで、3列目の座席もあった
試乗したクルマは、車体の長いグレードで、3列目の座席もあった
荷室は、横開きのヒンジ式ドアが採用され、ドアの外側にはスペアタイヤが装備されている
荷室は、横開きのヒンジ式ドアが採用され、ドアの外側にはスペアタイヤが装備されている

 新型は、悪路走破性を重視した4WDという側面は残しつつ、新鮮な印象を与えてくれた。ただ、「レンジローバー」や「ディスカバリー」との違いがわかりにくくなった気がする。その違いは、長時間、悪路でこのクルマを乗り続けて、初めてわかるのかもしれない。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。
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1531372 0 インプレッション 2020/10/13 05:20:00 2020/10/13 11:59:48 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201008-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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