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ブランド初のコンパクトSUV、左ハンドルならではの良さも GM「キャデラックXT4」(Vol.616)

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 米国ゼネラル・モーターズ(GM)の高級車ブランド「キャデラック」に、初のコンパクトSUV(スポーツ用多目的車)が誕生した。「XT4」である。主なライバルはメルセデス・ベンツ「GLC」やレクサス「NX」などだが、コンパクトSUVというサイズだけでみれば無数に存在する。キャデラックのSUVといえば、大柄な「エスカレード」が愛好家には知られている。しかし、最近はコンパクトSUVが世界的に人気を集め、英国の高級車ジャガーも「F‐PACE」、さらに小型の「E‐PACE」を発売している。

キャデラックで、もっとも小柄なSUVである。試乗したのは最上級グレード「プラチナム」
キャデラックで、もっとも小柄なSUVである。試乗したのは最上級グレード「プラチナム」

 「XT4」は、やや角張った外観が印象的で、全体的に丸みを帯びる傾向の欧州メーカーのSUVとは違った存在感がある。顔つきは、21世紀のキャデラックとして2003年に新しくなった「CTS」という4ドアセダン以降の造形を引き継いでいる。

 試乗したのは、最上級グレード「プラチナム」だった。室内は、精悍(せいかん)な黒一色ではないが、本革の座席に淡い色を用いるなど高級車としての趣を失っていない。昨今の輸入車のなかでは珍しい左ハンドル車となっている。

今や数少なくなった左ハンドルの輸入車だが、コツをつかめば運転しやすい面もある
今や数少なくなった左ハンドルの輸入車だが、コツをつかめば運転しやすい面もある
直列4気筒ターボエンジンは、かなり重い車体を軽やかに走らせた
直列4気筒ターボエンジンは、かなり重い車体を軽やかに走らせた

 搭載されるガソリンエンジンは、直列4気筒ターボで、排気量は1997ccだ。変速機は9速のオートマチックで、四輪駆動車(4WD)のみとなる。

 走行モードは四つあり、スタート時は標準のツーリングモードで、前輪のみの二輪駆動となる。ほかに、AWD(オール・ホイール・ドライブ=4WD)、スポーツ、オフロードというモードがある。

 前輪の二輪駆動での走りはいたって軽快だ。米国車といえば、小排気量であってもV型6気筒エンジンが多かったので、ターボチャージャーで過給されるとはいえ直列4気筒とはずいぶん小さなエンジンと思いがちだ。しかし、最高出力は230馬力あり、車両重量が1780キロに達するクルマを軽やかに速度にのせていった。その間、室内は静粛で、高級車の雰囲気を保ち続ける。直列4気筒エンジン特有の振動や騒音も感じずに滑らかに走った。

前席は、シートヒーターに加えシートファンも備え、夏季に利用すれば本革の座席でも快適に座れる(パネル部分で操作が可能)
前席は、シートヒーターに加えシートファンも備え、夏季に利用すれば本革の座席でも快適に座れる(パネル部分で操作が可能)
前席の調整装置。腰の高さの調整のほかマッサージ機能も備えている
前席の調整装置。腰の高さの調整のほかマッサージ機能も備えている

 AWDモードを選ぶと、後輪も加わり、自分の後ろ側からクルマを前へ押し出すような感覚が伝わり、4WDを実感する。走行感覚はやや重厚な感じだ。雨天時や、横風の強い時には、AWDの落ち着いた走行感覚が安心をもたらすだろう。ただ、日常的には標準のツーリングモードで走ったほうが、燃費は良いだろう。

 スポーツモードにすると乗り心地がやや硬めとなる。山間の屈曲路などで操縦性を楽しむにはいいかもしれないが、やはり標準のままのほうが高級車としての乗り味をより実感できるだろう。操縦安定性は標準でも十分ある。オフロードモードについて、今回は試す機会がなかった。

 高級車の乗り味として印象深いのは、座席の構造だ。前席、後席ともにクッションが厚い感触だが、といってソファのようにふかふかしているわけではなく、クルマ用として的確かつ優しく体を支えてくれる。後席は、床から座面までに十分な高さがあり、走行中も体が安定して快適だ。室内の静粛性も十分で、前席との会話も弾む。基本的には運転者のためのコンパクトSUVなのだろうが、高級車としての後席の居心地の良さも印象深かった。

奥行きも十分にあり、広々とした荷室
奥行きも十分にあり、広々とした荷室
座席はぜいたくな座り心地だ。特に、後席は床から座面までの高さも十分にあり、安定して腰掛けられる
座席はぜいたくな座り心地だ。特に、後席は床から座面までの高さも十分にあり、安定して腰掛けられる

 左ハンドルについては、運転に慣れていない人が多いだろう。SUVは、目線が高いぶん遠くを見通せても、クルマ脇などの周囲を確認しにくいことがある。その点、左ハンドルだと、ガードレールや側溝、自転車や歩行者との距離もわかりやすく、心配なく運転できる利点もある。キャデラックの独特な外観や、高級車としての快適さなど、選ぶメリットの多いコンパクトSUVであり、左ハンドル車といえども試してみる価値はある。

御堀 直嗣
プロフィル
御堀 直嗣( みほり・なおつぐ
 1955年、東京都生まれ。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。乗馬などを楽しむアクティブ派でもある。

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1973306 0 インプレッション 2021/04/13 05:20:00 2021/04/13 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210408-OYT8I50043-T.jpg?type=thumbnail

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